【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.23】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23CT0087
利用課題名 / Title
気孔形成に影響を与える化合物Bubblinの誘導体の合成
利用した実施機関 / Support Institute
公立千歳科学技術大学 / Chitose IST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
太陽エネルギー利用,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,細胞・組織再生誘導材料/ Materials for inducing cell and tissue regeneration,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
嶋田 知生
所属名 / Affiliation
京都大学大学院理学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
新規化合物Bubblinは、植物の気孔形成に影響を与えるピリジン-チアゾールの一種である。植物体にBubblinを処理すると、気孔幹細胞メリスメモイドに作用し、その非対称分裂をかく乱することで気孔のクラスター構造を誘導する。本利用課題では、Bubblinの作用機序を明らかとするため、ナノテクノロジー支援事業以来の共同研究を更に進め、Bubblin誘導体の合成とその解析を行った。
実験 / Experimental
今年度は、昨年度に引き続き標的タンパク質との相互作用を阻害しないように、リンカー部分にジエチレングリコールを導入したBubblin誘導体R72を合成した。シロイヌナズナ野生型系統Col-0株にR72を処理し、気孔形成パターンを観察した。また、昨年度合成したBubblin誘導体R50,51,52をAffigel-10ビーズにカップリングし、シロイヌナズナ幼植物体の粗抽出液から結合タンパク質を単離精製し質量分析による解析に供した。合成標品の同定にはNMR(Avance NEO 400, Bruker社、公立千歳科学技術大学登録装置)を用いた。
結果と考察 / Results and Discussion
リンカー部分にジエチレングリコールを導入したBubblin誘導体R72をシロイヌナズナ野生型系統Col-0株に処理すると、大小様々な気孔クラスターが見られ活性が保持されていることが判明した。ただし、孔辺細胞の検出に用いているGFP蛍光が全体的に弱くなる傾向が見られた。また、処理した植物体が著しく小型化し生育阻害が見られた。質量分析では多数のタンパク質が検出されたが、ビーズのみのコントロールと比較して濃縮されているものが見つかった。今後はその遺伝子に着目して解析を行い、Bubblinの標的の同定を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 Bubblin誘導体R72を処理したシロイヌナズナ子葉表皮細胞
GFPで孔辺細胞を可視化したシロイヌナズナ株に、Bubblin(左パネル)または誘導体R72(右パネル)を処理し、子葉表皮を観察した共焦点レーザー顕微鏡写真。誘導体R72では気孔クラスターが見られるものの、一部GFP蛍光が弱くなる部分が存在する。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・参考文献 Y, Sakai et al., Development, 144(3):499-506 (2017)
・謝辞 本研究の遂行にあたりまして、公立千歳科学技術大学の今井敏郎客員教授、大越研人教授にBubblin誘導体を合成して頂きました。この場を借りて感謝の意を表します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件