【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.20】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23CT0063
利用課題名 / Title
生体材料および高分子材料中における光機能色素分子の動的挙動に関する研究
利用した実施機関 / Support Institute
公立千歳科学技術大学 / Chitose IST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
赤外・可視・紫外分光/ Infrared/visible/ultraviolet spectroscopy,コンポジット材料/ Composite material
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
川辺 豊
所属名 / Affiliation
公立千歳科学技術大学理工学部応用化学生物学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
生物資材として高度利用が期待されるナノセルロース材料に発光性有機色素を混合/付着させることにより、発光強度の制御及び誘導放出に関する特性の変調やランダムレーザーの発現などを目的として探索研究を行った。これらの材料を用いることで、新しい小型センサー用波長可変光源などの実現に近づくことが可能である。2023年度はナノセルロース薄膜中に有機色素をドープすることにより発光特性の変化を検討した。またマイクロサイズの光散乱体である紙(本検討では「ろ紙」に付着した色素)の光増幅特性を調べた。
実験 / Experimental
ナノクリスタルとして第一工業製薬の試供品であるゲル状のレオクリスタ I-2SXを用い、ローダミンBおよび同6G色素の水溶液と混合し、透明な薄膜を作製した。ただし、十分な発光を得ることができなかったため、水溶液中においてナノクリスタルの有無による発光性の変化を検討した。
また、市販の複数の種類のろ紙をローダミン6G水溶液中に含浸し、乾燥後得られた試料の発光特性と強励起下による光増幅及びランダムレーザー発振の可能性を検討した。
いずれの検討においても光増幅特性については532nmのQスイッチNdYAGレーザーの倍波を用いた。薄膜の膜厚と表面形状の測定にCT-017を、発光特性評価にCT-032を用いた。
結果と考察 / Results and Discussion
ナノクリスタルより作製した薄膜試料における発光は微弱であり、光増幅作用は確認できなかった。また水溶液中においても、ナノクリスタル添加は発光を抑制することより、本材料による発光部材としての検討は困難であることが明らかになった。
水溶液からろ紙に色素を吸着させるに当たって発光強度を最大にする最適濃度は3 x 10-4Mであった。また強励起による発光の狭帯域化も観測された。この時半値幅は50nmから25nmへ変化した。閾値は 2~3mJ/cm2程度である。ナノ構造に基づく発振モードは装置の波長分解能の問題もあって確認は出来なかった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Yutaka Kawabe, Fluorescence decay dynamics of exciplex formed in inert polymer films, Advanced Materials, Biomaterials, and Manufacturing Technologies for Security and Defence, , 11(2023).
DOI: doi.org/10.1117/12.2676577
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件