利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22JI0011

利用課題名 / Title

気相合成法で作製した金属ナノ粒子の固体基板上への固定化およびその構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

北陸先端科学技術大学院大学 / JAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

微粒子/ Fine particles, 石英・ガラス系材料/ Quartz and Glass materials


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

迫野 奈緒美

所属名 / Affiliation

独立行政法人国立高等専門学校機構 富山高等専門学校物質化学工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

伊藤暢晃,村上達也

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

JI-012:大気中原子間力顕微鏡
JI-013:X線光電子分光装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

金や銀で構成される金属ナノ粒子は、表面プラズモン共鳴などの特徴的な光学特性を持ち、生物化学や分析化学において広く使用されている。ナノ粒子の合成法は気相法や液相法が多く用いられる。その中で、気相合成法の1つである蒸発濃縮法は、液相合成法にて一般的に用いられる保護剤や還元剤を必要としないため、表面に有機物のないナノ粒子を合成可能である。しかし、気相合成ナノ粒子の捕集法は報告が少なく、材料として利用するためには捕集法を検討する必要がある。本研究では、蒸発濃縮法で合成したナノ粒子を、ガラス基板上に捕集する手法を検討した。捕集後のガラス基板について、原子間力顕微鏡(AFM)による表面観察、およびX線光電子分光法(XPS)によるガラス基板表面上の元素分析を依頼した。

実験 / Experimental

管状電気炉に石英管を設置し、石英管の片側にマスフローコントローラーを介して窒素ガスボンベを取り付けた。窒素ガスボンベと反対側に、ナノ粒子捕集用チャンバーとなる T 字真空配管装置を取り付けた。T字真空配管装置の一か所にブランクフランジを取り付けた。このブランクフランジにナノ粒子捕集部となるガラス板固定部を取り付けた。管状電気炉に Ag 金属粒を設置し、1100℃まで加熱した。窒素ガスを1.5 L/min.のスピードで流すことでナノ粒子を合成した。ナノ粒子捕集部にガラス板を取り付け、合成したナノ粒子を一定時間捕集し、得られたガラス板の表面観察および元素分析を行った。申請者はガラス板への捕集までを行い、各種分析を技術支援者にお願いした。

結果と考察 / Results and Discussion

ナノ粒子捕集部にガラス板を取り付け、2時間捕集を行った。捕集後のガラス板は、Agナノ粒子に特異的な色調が目視で確認出来た。基板上の物質を依頼分析であるXPS 分析で評価したところ、Ag 3d に由来するピークが確認され、Agナノ粒子がガラス表面に積層していることが示された。さらに、AFMにて捕集後のガラス板の表面観察を行ったところ、20nm前後の凹凸が規則的に見られた。ガラス板のみを観察すると規則的な凹凸は見られなかったことから、この凹凸は捕集したナノ粒子由来であると推測される。また、凹凸は20nm前後の深さで観測されていた。実際に合成したAgナノ粒子の粒子径は5~7nm程度であることから、ガラス板上に複数層が積層している状態である事が示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

実験に協力頂いた技術支援者の伊藤暢晃氏、村上達也氏に感謝する。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Naomi Sakono, Immobilization Method for Silver Nanoparticles Synthesized via Evaporation/Condensation onto a Glass Plate, Chemistry Letters, 51, 1074-1076(2022).
    DOI: https://doi.org/10.1246/cl.220363
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 大郷和暉、清水麻亜、迫野昌文、迫野奈緒美、”気相中における合金型Ag-Auナノ粒子の合成および触媒活性評価”、日本化学会近畿支部2022年度北陸地区研究発表会(富山)、令和4年11月11日
  2. 迫野奈緒美、清水麻亜、”気相合成した金属ナノ粒子のガラス基板への直接担持”、化学工学会第88回春季年会(東京)、令和5年3月16日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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