【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.15】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23SH0015
利用課題名 / Title
電子部品用機能性膜の開発
利用した実施機関 / Support Institute
信州大学 / Shinshu Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
エレクトロデバイス/ Electronic device,電極材料/ Electrode material,電子分光/ Electron spectroscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
津野 将弥
所属名 / Affiliation
KOA株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
SH-004:光電子分光装置
SH-008:オージェ電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
電子部品用機能性膜の機能発現のためには、膜上に電極を製膜する必要がある。しかしながら、膜と電極との界面における反応や各成分の相互拡散により、電気特性への影響が無視できない。従って、その反応や拡散を定量的に把握することは重要である。今回、オージェ電子分光法を用いて、電極表面から金属膜内部までのデプスプロファイルを取得、成分の拡散を定量的に評価した。
実験 / Experimental
測定用試料として、金属元素A、B、Cを選択し、それぞれの単一膜上に、電極として銅(Cu)を製膜したものを準備した。それらの試料に対して熱処理を施し、測定用試料とした。
測定は、オージェ電子顕微鏡を用い、Cu表面からデプスプロファイルを取得した。
結果と考察 / Results and Discussion
熱処理後の試料に対するオージェ電子による各成分のデプスプロファイルを図1に示す。スパッタサイクルがおおよそ1~22サイクル付近まではCu電極、22サイクル以降は金属元素の膜と推測される。
各成分ごとの詳細を見ると、元素Aは、電極から膜全体でほぼ一様に存在し、表面に析出していることがわかる。一方、元素Bは元素Aと同様表面に析出するが、Cu電極内部にはほぼ存在しない。元素Cはほぼ拡散せず、元素A、Bのような表面析出もしないということが明らかとなった。これらの結果は、熱によって各成分の拡散が起こったためと考えられる。
成分による拡散挙動の差異は、Cuと各成分との拡散係数の差異、Cuとの固溶しやすさが影響していると考えられ、実際の電子部品でも同様な成分の拡散現象により、電気特性へ影響を与える可能性を示唆している。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1. 金属元素のデプスプロファイル
黒線: 元素A 赤線:元素B 青線: 元素C
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件