利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.07】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NI2002

利用課題名 / Title

希土類鉄酸化物の陽イオン不定比性

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋工業大学 / Nagoya Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

エレクトロセラミックス, ICP発光分光分析,セラミックスデバイス/ Ceramic device,資源代替技術/ Resource alternative technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

坂部 友香

所属名 / Affiliation

名古屋工業大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

浅香 透

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大西 明子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NI-020:ICP発光分光分析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 RFe2O4 (Rは3価の希土類イオン) の化学式で表される希土類鉄酸化物は電子誘電体として注目を集めている。本系が示す強誘電性は混合原子価であるFeの電荷秩序によるものと考えられている。Feの価数は、化学量論組成では2.5価であるが、本系は酸素サイトと読イオンサイトに不定比性があり、それは合成時の雰囲気によっても影響を受ける。たとえば、過度な還元雰囲気での焼成では、Oだけではなく、RイオンやFeイオンの欠損も生じることが知られている。このような不定比性は構造と物性に影響を与えることが予測される。本研究ではTmFe2O4において、酸素欠損が構造と物性に与える影響を調べるために、いくつかの還元雰囲気の焼成によりTmFe2O4の合成を行った。この時、陽イオンの組成をICP発光分光分析により評価した。

実験 / Experimental

 TmFe2O4多結晶体を固相反応法で作製した。原料として、粉末のTm2O3およびFe2O3を用いた。それぞれの原料粉末を化学量論組成となるように秤量し、アルミナ乳鉢を利用して混合を行った。得られた混合粉末を一軸加圧成形を行い、ペレット状に加工した。ペレットを電気炉を用いて1300 ℃で12時間の焼成を行った。焼成時のガス雰囲気は、H2/CO2 = 1.11, 1.25, 1.43とした。
 陽イオンの定量には高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法を用いた。測定にはICPE 9820(島津製作所製)を使用した。

結果と考察 / Results and Discussion

 ガス雰囲気H2/CO2 = 1.11, 1.25, 1.43での焼成により得た試料をICPで評価した結果、TmFe2-xO4-yの化学式において、それぞれ x = 0.0185, 0.0008, 0.0148となり、いずれも1%以下のFe欠損量であり、還元性雰囲気による陽イオン組成のずれは確認されなかった。これにより、今回の還元性雰囲気では、陽イオンの揮発はなく、酸素欠損量のみが変化した試料が作製されたことが分かった。
 得られた試料を用いて、酸素欠損量と構造および磁気物性の相関を調べることができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 名古屋工業大学技術部の大西明子様には試料調整のご指導ならびにICP測定をしていただきまして、感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る