利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.02】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23OS1074

利用課題名 / Title

固体基板上に形成したナノカーボン材料の物理・化学特性の研究

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

表面・界面/ Surface and Interface,シリコン基材料・デバイス/ Silicon-based materials and devices,蒸着(抵抗加熱、電子線)/ Evaporation (resistance heating and electron beam)


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

有馬 健太

所属名 / Affiliation

大阪大学大学院工学研究科 物理学系専攻 精密工学コース

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-117:EB蒸着装置
OS-106:LED描画システム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

酸化剤を含む溶液中にナノカーボンフレークを堆積した半導体基板を浸漬すると、ナノカーボンが持つ触媒機能により、半導体表面のエッチングが促進される。これまでに、グラフェンを触媒として組み込んだリソグラフィープロセスを構築し、半導体表面にトレンチパターンを形成する実験に取り組み、エッチングの基礎特性を把握した。現在、我々は酸化剤の種類などエッチング条件を変えることで半導体表面において異なるエッチングモードが顕現することを新たに見出した。さらに本エッチングモードの特徴を調査するため、リソグラフィーに発展させたい。予備実験として、EB蒸着装置を用いた金を堆積したSi試料のウェットエッチングを実施し、薬液の温度に依存したエッチングモードの調査を行った。

実験 / Experimental

前洗浄したSi基板上にポジ型レジスト(AZ5206E)を塗布した後、マスクアライナーにより露光を行った。このとき、LED描画装置にて作製したCrマスクを用いた。そして、現像液を用いて現像し、レジストパターンを得た。その後、Ti/Au膜をEB蒸着装置により堆積し、Si表面上にAu触媒膜のパターンを形成した。この基板を、H2O2, HF混合溶液に10分浸漬し、選択エッチングを行うことで、Si基板上にトレンチパターン構造を形成した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1に23℃及び100℃条件下でエッチングしたSi試料をリフトオフ及びAu膜を除去したSi表面のSEM像を示す。23℃条件ではAu膜の直下が選択的にエッチングされている様子が分かる。しかし100℃条件ではAu膜直下に加えてその周辺部までエッチングが進行している。これは液温の増加に伴い触媒反応が促進され、エッチングに寄与するホールが過剰に注入された結果、余剰ホールが周囲に拡散することを示唆する。今後、さらに金を堆積したSi試料エッチングモードの調査を進め、その結果を踏まえてナノカーボン触媒を用いたトレンチ加工におけるエッチングモードの解明を行う予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. 予備実験結果。Si表面上に堆積したAuがエッチング液中で触媒的な作用を発現したことを表す様子(左図)触媒直下が選択的に溶解している。(右図)触媒直下および周囲が溶解している。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 山本聖也、有馬健太、”ナノカーボンの触媒作用を援用したGe表面の選択エッチング ーエッチング液に添加した酸化剤がエッチング特性に与える影響ー ” 応用物理学会 界面ナノ電子化学研究会 第8回ポスター発表展 (東京)、令和5年11月27日
  2. 山本 聖也、李 君寰、稲垣 耕司、有馬 健太、”ナノカーボンの触媒作用を援用したGe表面の選択エッチング~エッチング液に添加した酸化剤がエッチング特性に与える影響~”第84回応用物理学会秋季学術講演会(熊本)、令和5年9月21日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る