利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.03】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23OS1073

利用課題名 / Title

微細加工半導体光デバイスの開発

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,電子線リソグラフィ/ EB lithography


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

市川 修平

所属名 / Affiliation

大阪大学 大学院工学研究科 電気電子情報通信工学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

村田 雄生,田口 遥平

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

近田 和美,村山 さなえ

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-104:自動搬送電子ビーム描画装置
OS-111:リアクティブイオンエッチング装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

偏光をはじめとした、光の状態を制御した発光・受光素子は、3Dテレビ、光情報通信、センサーなど、様々な分野への応用が可能である。一方で、同一半導体材料で直線偏光や円偏光等を制御でき、かつ外部光学素子が不要な(集積化が可能な)高効率な偏光デバイスは実現されておらず、上記の社会実装もなされていない現状にある。本研究では、歪・光波エンジニアリングに立脚した複合的アプローチを駆使することで上記課題を打開し、偏光状態制御を含めた、新機能光デバイスを実現することを目指す。とくに電子線描画装置やRIEを使用させていただくことで、微細な光学的周期構造等を作製し、光の状態を制御した新しい半導体光デバイスの作製を試みた。

実験 / Experimental

今年度は、紫~青色域で発光する直線偏光InGaN系LED構造の出射面へのメタサーフェス加工により、円偏光素子を実現すること目指して研究を推進した。とくにLED出射面全域での加工を想定し、電子線描画装置[自動搬送電子ビーム描画装置(150kV BODEN)]を利用して、比較的大面積(数百μm~mmオーダー)に、ナノメートルスケールの微細加工を施した。この際、近紫外~可視光域で透明な材料の微細周期加工を行うために、GaNおよびSi3N4薄膜に対して微細パターンを施した。とくに、Si3N4薄膜に対しては、フッ素系ガスプラズマRIEによるエッチングによる素子加工が可能であることから、RIE装置[リアクティブイオンエッチング装置(10NR)]を利用してストライプパターンの作製を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

(20-21)GaNテンプレート上に作製したInGaN/GaN量子井戸ベースの直線偏光青色発光LEDの出射面にSi3N4薄膜のナノストライプパターンを作製した。設計段階では、[11-20]方向に対して45°傾斜した角度でSi3N4/Air (100 nm/100 nm)の周期構造を想定し、実際の電子線描画およびエッチング処理を行った。作製後の平面走査型電子顕微鏡像を図1(a),(b)に示す。図の解析結果より、傾斜角度が44°、Si3N4/Air (124 nm/75 nm)の周期構造[図1(c)]となっていることが分かり、実際の設計値に対して少なからず作製誤差が生じていることが分かった。LEDからの発光が本ストライプ構造を通過時において、直線偏光から円偏光へと変換されることを想定した素子設計であったものの、上記作製誤差の影響より現状では十分な素子性能を達成できなかった。今後、描画条件の再考を進めることで、円偏光素子の実現に向けて研究を続行する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1: (a) (20-21)GaN上のSi3N4膜に施したナノストライプパターン(図中結晶方位はGaNの方位)。(b) Si3N4膜に施したナノストライプパターンの拡大図。(c) 周期構造の分布測定結果。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Y. Murata, S. Ichikawa, S. Toda, Y. Fujiwara, and K. Kojima, "Design of highly efficient InGaN-based circularly polarized LEDs integrated with Si3N4 metasurface'', The 14th International Conference on Nitride Semiconductors (ICNS-14), LN2-6, Fukuoka, Japan (Nov. 2023).
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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