【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23OS1070
利用課題名 / Title
Arイオンミリングを用いた金属・酸化物多層膜の微細加工検討
利用した実施機関 / Support Institute
大阪大学 / Osaka Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
イオンミリング(断面加工)/ Ion milling (cross-section processing),複合材料/ Compound materials,遷移金属系合金/ Transition metal alloys,シリコン基材料・デバイス/ Silicon-based materials and devices,膜加工・エッチング/ Film processing/etching
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
銭谷 勇磁
所属名 / Affiliation
パナソニックホールディングス株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
銭谷 勇磁,西谷 雄,池田 侑典
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
近田 和美,山田 里絵,佐久間 美智子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
OS-106:LED描画システム
OS-117:EB蒸着装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
複数の金属・酸化物を堆積させた薄膜の微細加工方法の一つとして、指向性の高いArイオンビームを用いたミリングで微細加工を検討した。ArイオンビームはRIEのような化学反応を伴わないドライエッチングプロセスのため、複数の金属や酸化物で形成された薄膜のエッチングプロセスに適している。利用したSIMS付きカウフマン型イオンミリング装置はEPD(End Point Ditector)を有しており、容易なエッチング制御が可能である。各層に化学反応によるダメージが無く、所望の形状・エッチング停止の精度など、デバイス加工に必要な条件検討を目的とした。
実験 / Experimental
Si基板上に金属および酸化物を数10nm堆積させた薄膜上に、マスクパターンを形成し、Arイオンミリング時の角度とエッチング時間の観察、およびミリング後、加工された薄膜の形状観察を行った。作製した薄膜上に50μm幅のエッチングパターンを、ポジレジスト(TSMR-8900)、ネガレジスト(ZPNー1150)を用いて、フォトリソグラフィーで形成した。SIMS付きカウフマン型イオンミリング装置のサンプルステージ角度を-10~-80°の範囲で変化させArイオンミリングを行った。ミリング中に検出可能な元素を特定するため、SIMSを用いて、元素分析を同時に行った。
結果と考察 / Results and Discussion
ミリング開始から基板到達まで要する時間をサンプルステージ角度で比較した結果、イオンビーム方向に対しする角度増加に伴ってミリング時間は短くなり、-45°で最も時間が短く、それ以上の角度では、ミリング時間が増加した。具体的には-10,20°で約14分、-30 °で約11分、-45°で約9分、-60°で約12分要した。ミリング後のレジストの状態およびレジスト除去後の薄膜は、ポジ・ネガレジストの種類、ミリング角度による特筆すべき差や変化は見られず、フォトリソグラフィーの条件やパターンサイズ・形状に応じて使い分けが可能であることが確認できた。以上の結果から、本設備を用いたArイオンビームでのミリングでは、角度やレジストの種類によって、ミリングされた薄膜のパターン形状に変化が見られないため、デバイス形状やフォトリソグラフィーによる精度が最も適しているレジストを用いれば良いことが確認できた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件