【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.07.31】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22AE0032
利用課題名 / Title
軟X線放射光光電子分光による表面処理したm面GaNのその場酸化化学状態の分析とショットキー電極形成
利用した実施機関 / Support Institute
日本原子力研究開発機構 / JAEA
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
III-V族窒化物,Arイオン照射,表面処理,その場観察XPS
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
角谷 正友
所属名 / Affiliation
国立研究開発法人物質・材料研究機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
津田泰孝,橋本安寿佳,吉越章隆
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
GaN-MOSトランジスタはパワーデバイスとして有望であるが、イオン注入による部分的なp型化が困難であるため、縦型パワーデバイスにするためにトレンチ構造となっている。そのためチャネル層は側壁であるm面に形成され、MOS構造を形成する際にさまざまな面が同時に酸化ガスに曝される。これまでにさまざまな酸化ガスを照射してGaN表面酸化の面方位依存性を検討してきた。
本研究では酸素が抜けないm面GaN表面にArイオンを照射した時の表面構造とN2O分子を照射した際の酸素の結合状態の経時変化を観測し、その後大気に開放することなくAuショットキー電極を処理したGaN試料上に蒸着することを目的とした。
実験 / Experimental
有機金属化学堆積法で導電性のあるm面(101(_)0) GaNバルク基板上に成長したGaN薄膜試料を用いた。試料をBL23SUの装置に導入して、表面清浄化のため超高真空下800℃で加熱し、Arイオン照射(Arガス2×10-5 Pa, 1 kV, 2.3 A)を40分間行った。その後N2O分子線(1×10-5Pa)を約2時間照射した。各表面処理後に730 eVの放射光を用いてコアスペクトルを測定した。測定後チャンバー内で表面状態を埋め込むようにAu蒸着を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
測定前の800℃でのアニールでともにカーボンはほとんど除去されたが、m-GaN表面の酸素はほとんど残留したままであった。このような表面にArイオン照射を行ったところ、吸着酸素が極端にと少なくなった。また、ArスパッタによってN1s強度が減少するとともに価電子帯上端に電子状態が出現した。これはN抜けによって残ったGa 3s軌道ではないかと考えている。このようなm面GaN表面にN2O照射を約2時間行ったところ、H2O場合と同様にN2O照射すると価電子帯上端の状態は消失した。大気に開放することなくこのように表面状態の異なるm-GaN表面にAu蒸着をチャンバー内で行うこともできた。CV測定による評価を行う。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 アニールとArイオン照射、N2O分子線照射後のm-GaN価電子帯スペクトル.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件