利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.20】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23OS1011

利用課題名 / Title

有機/無機材料によるニューロモルフィック素子の創成

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

スパッタリング/ Sputtering,リソグラフィ/ Lithography


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

赤井 恵

所属名 / Affiliation

大阪大学大学院理学研究科化学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

渡部誠也,北脇一磨,谷口瞬生,中島涼介,吉野裕貴,初鹿野功太郎,若崎弥生

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-106:LED描画システム
OS-107:マスクアライナー
OS-115:RFスパッタ成膜装置(絶縁体成膜用)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

先行研究より、二電極間に電解重合により架橋させたPEDOT:PSSワイヤは、陽極-陰極間でワイヤ径が非対称となるように追重合を施すことで、可塑的なコンダクタンス変化を発現することが報告されており、シナプス素子への応用が期待されている。このコンダクタンス変化は電解質溶液中において発現するが、変化幅やリテンション特性は電解質種によって異なる。本実験では、電解質種がPEDOT:PSSワイヤの可塑的コンダクタンス変化特性に及ぼす影響の定量的評価を行い、その作用因子について検討した。

実験 / Experimental

ARIM支援機関の設備(LED描画装置/マスクアライナー及びRFスパッタ装置)を利用し、100μmのギャップ長を有する金電極基板を作製した。作製した基板を用い、所属機関においてPEDOT:PSS非対称ワイヤの作製、および、各種電解質水溶液中での導電性計測を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

図は各種電解質溶液中におけるPEDOT:PSSワイヤのコンダクタンス変化の様子である。実験開始から300sまで±1VのDCパルスを印加することでコンダクタンスを可塑的に変化させている。300s以降は読み取り電圧のみ印加し、コンダクタンスのリテンション特性を計測している。実験結果について定量的な評価を行い、DFT計算により算出した電解質イオンの諸特性と比較検討したところ、可塑的コンダクタンス変化の振幅は電解質カチオンの化学硬度と、リテンション特性はイオンサイズと相関があることが見出された。この知見は、PEDOT:PSSワイヤのシナプス素子応用における動作環境設定に重要な指針を与えるものであると考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


各種電解質溶液中におけるPEDOT:PSSワイヤの可塑的コンダクタンス変化およびリテンション挙動


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

ARIM支援機関の技術スタッフの皆さまには、装置利用に関する丁寧な指導並びにご協力を賜りました。感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 渡部 誠也, 萩原 成基, 柴北 洋明, 周 陽, 加藤 浩之, 赤井 恵, "PEDOT:PSS ワイヤーシナプス素子の導電挙動に電解質イオンが及ぼす影響," 第84回応用物理学会秋季学術講演会(熊本), 2023年9月19-23日
  2. Seiya Watanabe, Naruki Hagiwara, Hiroaki Shibakita, Yang Zhou, Hiroyuki S. Kato, Megumi Akai-Kasaya, "Effect of electrolyte ions on PEDOT:PSS wire synaptic device", In-material Computing Workshop for Young Researchers/インマテリアルコンピューティング若手研究会(北海道), 2023年11月4日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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