利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.12】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23OS1008

利用課題名 / Title

重元素添加によるエピタキシャルZnO薄膜の熱電性能向上

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

熱電材料


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

上月 聖也

所属名 / Affiliation

大阪大学大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 電子光科学領域 中村研究室

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-119:自動制御型パルスレーザ蒸着ナノマテリアル合成装置
OS-126:接触式膜厚測定器


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

熱電発電の応用先拡大に向け、透明な熱電材料に注目した。透明材料の中で高い熱電出力因子を示す酸化亜鉛が有望であるが、高い熱伝導率により熱電性能は不十分である。重元素導入によるフォノン散乱の促進により熱伝導率の低減が可能であるが、電気特性は低下する。そこで単結晶の酸化亜鉛(ZnO)薄膜を作製し、重元素導入による電気伝導率低減を抑制した高性能透明熱電材料の開発を目指した。 本研究では、ARIM支援機関の自動制御型パルスレーザー蒸着ナノマテリアル合成装置でサファイア基板上にZnO薄膜をエピタキシャル成長させることにより、重元素導入したエピタキシャルZnO薄膜を作製した。

実験 / Experimental

薄膜形成には「ARIM支援機関の自動制御型パルスレーザー蒸着ナノマテリアル合成装置」を用いた。サファイア基板上にZnO薄膜を基板温度400℃、酸素圧1Paで蒸着した。重元素導入として、Asは1×10^14, 8×10^14, 2×10^15 cm^-2のドーズ量でそれぞれ添加された。XRDによる結晶構造評価、SEMによる薄膜表面観察、自作電気特性評価装置による電気伝導率評価、は自機関で行った。

結果と考察 / Results and Discussion

作製した試料のXRD(2q-w)測定を行ったところ、すべての試料においてAsドープZnO薄膜がサファイア基板上にエピタキシャル成長していることを確認した(Fig.1)。また、SEMによる表面観察を行ったところ、エピタキシャル関係に起因したドメインが確認された(Fig.2)。以上より、単結晶ZnO薄膜の形成に成功した。電気伝導率を測定したところ、Asドープ量が増加するにつれて電気伝導率が増大することを確認した(Fig.3)。これは、Asドープにより、ZnO中の酸素空孔や格子間亜鉛の形成が促進され、それにより電気伝導率が増大したと考えられる。 今後は、熱伝導率やゼーベック効果測定を行うことで本試料の熱電性能を評価する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 2q-w測定の結果.



Fig.2 AsドープZnOの表面SEM像.



Fig.3 電気伝導率のAsドープ量依存性.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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