利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NI0812

利用課題名 / Title

還元的N2O分解を可能にするCu(N3)型金属錯体触媒の合成と構造

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋工業大学 / Nagoya Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

赤外・可視・紫外分光/ Infrared/visible/ultraviolet spectroscopy,X線回折/ X-ray diffraction,電子分光/ Electron spectroscopy,赤外・可視・紫外分光/ Infrared/visible/ultraviolet spectroscopy,分離・精製技術/ Separation/purification technology,資源循環技術/ Resource circulation technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

馬場 風花

所属名 / Affiliation

名古屋工業大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

小澤智宏,猪股智彦,増田秀樹

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

小澤智宏

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NI-008:単結晶X線構造解析装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

亜酸化窒素は比較的安定な窒素酸化物であり、化石燃料の消費に伴って年々増加している地球温暖化分子の1つで、二酸化炭素の300倍の音質効果があるとされている。そのため近年は人工的に生成する亜酸化窒素の分解に関する研究に注目が集まっている。自然界では亜酸化窒素還元酵素がその分解に関わっており、常温常圧においてプロトンを伴って窒素と水に分解される。この酵素の活性中心には銅四核錯体骨格があり、銅イオンはヒスチジン残基であるイミダゾール窒素原子が配位した環境であることが知られている。遺伝子操作においてこの骨格は半分の二核骨格でも作用していることから、本研究では、二核化が可能な窒素配位環境にある銅(II)錯体を合成し、その電気化学的亜酸化窒素分解反応を検討することにした。今回はその部分骨格(単核骨格)に相当するCu(II)錯体の合成を試みた。

実験 / Experimental

錯体の中心金属にはCu (II)を採用したがCu(I)への還元に伴い四面体への構造変化が予想されるため、亜酸化窒素分子を配位可能な配位座を1つ空いた環境を提供可能なN3型マクロサイクル配位子を合成した。その配位子に対して塩化銅(II)をエタノール中で反応させたところ、青色の溶液に変化した。溶媒を除去し、残渣に対してアセトニトリル/アセトン系で再結晶すると、青色の単結晶が得られた。

結果と考察 / Results and Discussion

合成したCu(II)錯体は、元素分析では、Cuイオン1つ、配位子1つ、塩化物イオン2つの組成で理論値と一致した。紫外可視吸収スペクトルでは可視から近赤外領域に強度の小さい2つの吸収帯が確認され、また電子スピン共鳴スペクトルでは、|A//|=160 Gaussの値を示したことから平面から歪んだ5配位もしくは6配位構造であることが示唆された。単結晶を用いて今回の支援で利用させていただいた単結晶X線構造解析を実施したところ、かなり精度よく解析ができた。Cu周りはヤーンテラー効果に伴い歪んだ5配位構造で、Cu-N3距離が非常に長いことがわかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


[Cu(N3)Cl2]のORTEP図


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る