【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.07.31】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22AE0023
利用課題名 / Title
In-situ XAFSによるCOガス環境下におけるPt系触媒のH2-O2反応機構解明研究
利用した実施機関 / Support Institute
日本原子力研究開発機構 / JAEA
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
Metal nanoparticle catalyst, Cerium oxide, hydrogen oxidation, CO poisoning, X-ray absorption spectroscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
田中 裕久
所属名 / Affiliation
関西学院大学 工学部
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
稲川康平,岩田宗悟,青谷拓朗,浦野純乃介,上垣伸弥,上野竜聖
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
松村大樹,辻 卓也
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では原子力安全の重要基盤技術における、シビアアクシデント時の溶融燃料とコンクリートとの相互作用(MCCI)によって発生するCOガスによる触媒被毒に注目した。そこで、各種Pt触媒に対する担体によるCOガスの影響と反応メカニズムを解明するために「その場」XAFS測定を行った。
実験 / Experimental
COガスの吸着と脱離のメカニズムを解明し、Pt触媒の構造の違いが反応性の違いにどのように影響を与えているのかを明らかにし、被毒成分によってH2-O2反応が阻害されない適切な担体材料を探索する。Si(422)結晶を湾曲させたポリクロメーターをLaue配置でPt L Ⅲ-edge(11.560 keV)近傍のエネルギーを持つX線を250eV程度の幅で検出する。検出器には蛍光体とCCDカメラを用い、蛍光体に白色X線が当たるように配置することで発生した可視光をCCDカメラにて記録した。測定に際しては、毎測定の最初に白色X線の強度とPt箔のXAFSスペクトルを測定した。実験では、乾燥雰囲気と湿潤雰囲気の比較を行い、湿潤条件の場合、測定ガスは露点発生器にて露点30℃に制御することで、室温測定では相対湿度が100%程度の環境を再現した。乾燥ガスと湿潤ガスでは配管の長さが違うためガスの検出にタイムラグがおよそ20 s~30 s程度生じるため、時間補正を行った。測定を行う際にはCOガス共存下において水素ガスと酸素ガスをそれぞれ100秒間ずつ交互に試料に導入し、測定を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
ガス切り替えに対するPt触媒のXAFSスペクトル変化としての応答速度に着目すると、O2/H2交互フローにおいてはどのPt触媒でもXAFSスペクトルの変化の応答が速やかに行われているが、O2/CO交互フローの場合、Pt/Al2O3触媒において、O2導入後のpeak shift及びpeak
intensityの変化がガス切り替えに対して大きく遅れていることが観測された。
Pt/Al2O3におけるO2/H2
cyclic flowの結果を見るとpeak
shiftにおいて正方向へのわずかなシフトが観察された。O2導入後、peak
intensityが上がり続けている。O2/CO
cyclic flowではO2からCOへの切り替え時に、peak shiftの正のシフトが観察された。
また、200sにてO₂導入後、peak
intensityで変化が観察されないが、これは完全に還元前処理が行われなかったことを示している。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
(1)共同研究:日本原子力研究開発機構・松村大樹博士、辻卓也博士 (2)外部競争的研究資金:本研究は、JST SICORP、JPMJSC21C3 の支援を受けたものです。 (3)技術支援者への謝辞:: BL14B1にてin-situ DXAFSビームラインを構築していただき、これまで見ることのできなかった触媒上の吸着種を観察できるようになり、心から感謝申し上げます。 日本原子力研究開発機構 松村大樹さま、辻卓也さまのご尽力とご支援に感謝を申し上げます。併せていつも研究室の学生たちをご指導いただいき謹んで御礼申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Kohei Inagawa, Daiju Matsumura, Masashi Taniguchi, Shinya Uegaki, Tomohito Nakayama, Takuro Aotani, Hirohisa Tanaka, “Development of hydrogen oxidation reaction catalysts to overcome CO poisoning and elucidation of reaction mechanism”, The Journal of Physical Chemistry 投稿中
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件