【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.09】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NI0808
利用課題名 / Title
TACH骨格を有するFeN4型錯体による酸素活性化機構の解明
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋工業大学 / Nagoya Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
X線回折/ X-ray diffraction,分離・精製技術/ Separation/purification technology,資源循環技術/ Resource circulation technology,X線回折/ X-ray diffraction,分離・精製技術/ Separation/purification technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
山本 彩未
所属名 / Affiliation
名古屋工業大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
小澤智宏,猪股智彦,増田秀樹
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
小澤智宏
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
生体内では酸素を利用した種々酸化反応が酵素により高選択的・高効率に行われている。これらの酵素は活性中心に金属イオンを有しているものが多く、酸化反応では、金属イオンの高原子価が関与している。酸素の還元反応は、近年では水の電気分解による水素生成反応の対極反応であることから特に注目を集めており、その反応機構を解明することで高活性な酸素極の開発が可能なると期待されている。本研究では、酸素活性化における高原子価鉄イオンの電子状態とその中間体構造を捉えて、反応機構解明を目指した。
実験 / Experimental
これまでの研究で、TACH骨格(N3キャップ型配位子)を用いたFe(II)錯体が酸素との反応時に酸素分子が架橋した2核Fe(III)錯体を経由して酸化反応をおこなっていることが示唆される分光学的結果を得た。しかしながらその反応生は非常に小さいものであったため、金属から酸素への電子移動が不十分であると考え、TACHのアミノ基にピリジルメチル基を導入することで四座配位子とし、指示配位子からの電気供与を強めて酸素分子への電子移動を効率よく進めることを考えた。
結果と考察 / Results and Discussion
TACHにピリジルアミノ基を導入した配位子をは新規であり、保護・脱保護過程を経て合成した。配位子は1H-NMRスペクトルと元素分析により合成の確認をした。この配位子と等量の過塩素酸鉄(II)を嫌気条件下で合成し、ついでアセトニトリル/ジエチルエーテル系で再結晶をしたところ、無職の針状結晶が得られた。これを用いて単結晶X線構造解析(本利用装置)を実施した。結晶構造解析した結果を図に示す。中心のFe(II)イオンは、配位子に4つある全ての窒素原子で配位結合し、過塩素酸イオンが2つ結合した6配位八面体構造を有しており、設計通りの配位骨格であった。以前のTACH-Fe(II)錯体では配位子がN3配位、残り2つの配位座にはClが結合した5配位構造で会ったため、結合長や結合角の直接的な比較はできなかった。しかしながら今回の結晶構造解析図からも分かるように、支持配位子以外の配位座に配位していたのはルイス塩基性度が非常に小さい過塩素酸塩であったため、酸素との反応において容易に置換することができることから、反応促進につながるものと期待される。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fe(N4)(ClO4)2
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件