利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NI0804

利用課題名 / Title

新規BF2錯体の固体色変化に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋工業大学 / Nagoya Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

光学材料, 単結晶X線回折,X線回折/ X-ray diffraction,分離・精製技術/ Separation/purification technology,資源循環技術/ Resource circulation technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小島 杏介

所属名 / Affiliation

名古屋工業大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NI-008:単結晶X線構造解析装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

新規ハロゲン化反応によって合成された化合物は様々な固体色を示し、一部の化合物では機械的刺激に対して固体色の変化が観察された。今回は、固体色変化がどのような構造変化によってもたらされるものなのかを明らかにするため、その一例 (Naph-I) と比較対象 (Ph-I) に対してX線単結晶構造解析を実施し、結晶構造と固体色の関係性についての調査を行った。

実験 / Experimental

β-ジケトン化合物のBF2化、及びハロゲン化反応によって得られたγ-ハロゲン化物 (Ph-I, Naph-I) の酢酸エチル溶液をそれぞれ調製し、貧溶媒のヘキサンを添加したのちに数日放置すると、Ph-I (黄色) / Naph-I (赤色) の単結晶が析出した (図1)。これらに対して、単結晶X線結晶構造解析装置(Rigaku VariMax with DWRAPID/UNIlab)を用いて構造を解析した。

結果と考察 / Results and Discussion

得られた結晶構造を図2に示す。Ph-I は結晶系:Triclinic / 空間群:P-1 で、Naph-I は結晶系:Monoclinic / 空間群:P21/n でそれぞれ結晶化した。これらは分子構造上では芳香環の大きさが異なるが、これに対応した相互作用形式の違いが見られた。Ph-I ではヨウ素原子とBF2部位のフッ素原子間でハロゲン結合を形成しているが、Naph-I はヨウ素原子と芳香環の間でハロゲン結合相互作用が確認された。これらの結果から、Naph-I の固体色変化は、赤色 (I-π相互作用) と黄色 (I-F 相互作用) という結晶構造の変化によって引き起こされているものであると推測している。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 錯体化合物 (左:Ph-I / 右: Naph-I)



図2 結晶構造 (左:Ph-I / 右: Naph-I)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. K. Kojima, K. Ono, Regioselective Halogenation to the γ-Methyl Groups of β-Diketone Compounds via Their BF2 Complexes, IKCOC-15, 2023年11月22日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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