【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.15】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1300
利用課題名 / Title
ガラス上のマイクロピラーの作製
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ガラスマイクロピラー,レジストピラー,SiO2ガラス,ソーダライムガラス,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,リソグラフィ/ Lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,3D積層技術/ 3D lamination technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
加藤 嘉成
所属名 / Affiliation
日本電気硝子株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
李佳龍
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
今井憲次,江崎裕子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-105:両面マスクアライナー
KT-110:レジスト現像装置
KT-111:ウエハスピン洗浄装置
KT-203:電子線蒸着装置
KT-209:磁気中性線放電ドライエッチング装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
前課題の実験で、ソーダライムガラス(SLS)の場合、RIE後のピラーの上面に穴(ホール)が形成され、側面のテーパー角が小さい問題があった。(SiO2ガラスの場合、上面にホールはなく、テーパー角は直角に近い。)。現像後のレジストピラーを観察すると、どちらのガラスの場合でも中央部がくびれた形状で上面に穴が見られた。これらのレジストピラーの形状の発生原因は、不適切な露光条件(ex.時間、照射面積)が考えられるが、詳細なメカニズムは分からない。ガラスの種類によってそれぞれ最適な露光条件を探索することは長期間かかり効率的でないと判断し、RIEで大径のピラー(~8 umΦ)を作製し、それをFIB加工のトリミングによって仕上げる(→5 umΦ)方法に方針を変更した。まず、最終的なガラスのホールをなくす目的で、Cr膜を厚くして(120 nm→400 nm)、ガラスピラーの形状を確認した。また、大径ピラーを作製するためにあらたにドット径を大きくしたフォトマスクを作製した(Posi/Nega).
実験 / Experimental
1. 厚膜Crを用いたピラー作製
下記のプロセスでガラスピラーを作製した。現像後のレジストピラーおよびREIエッチング後のガラスピラーの形状をSEM観察した。
ガラス: SLSガラス (30 x 30 x 0.7 mm)
プロセス:Cr膜蒸着(400nm厚)⇒レジスト塗布(TCIR-ZR8800) 4.4um厚 ⇒ 露光70mJ/cm2 ⇒ 現像⇒ Crウェットエッチング⇒REIエッチング(Antena: 1800W /Bias: 300W、Ar/O2/CHF3/C4F8: 270/15/10/10 sccm)
2. 新フォトマスクの作製
下記のプロセスで新しいフォトマスクを作製した。(Posi/Nega)
マスクブランクス :Cr膜、レジスト塗布済みマスクブランクス (2.5インチ。AZP1350 5400Å)
プロセス:描画 (レーザー直接描画装置。Intensity:95, Focus 0)⇒ 現像 (SD-1 60秒)⇒Crウェットエッチング⇒洗浄(アセトン浸漬、純水洗浄・置換、SPM洗浄、ウェハスピン乾燥)
結果と考察 / Results and Discussion
現像後のレジストピラーとRIE後のガラスピラーのSEM観察像をFigure 1に示す。前回のCr 120 nmの場合の結果もともに示した。レジストピラーは、前回と同様、中央部がくびれた非柱状形状でまた上面にホールが形成されていた。また、ピラーサイズは均一でなく底面の直径で比較するとばらつきがあった。しかし、RIE後のガラスピラーにはホールは見られなかった。レジストのホールの部分はCrだけがマスクとして働くので、前回の薄いCr (120 nm)ではRIE中にCrが無くなってしまったのに対し、今回(400 nm)ではCr膜が無くならず最後までマスクとして働いたことによると考える。
Figure 2に、作製したフォトマスクの顕微鏡写真を示す。Crドット径が8umのPosiとNegaのマスクを作製することができた。今後、新しいマスクでピラー作製を行う。PosiとNegaの場合のピラーを比較し、FIBでトリミングを行うのに適したマスクを選択する。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Figure 1. SEM image of resist pillars [(a) and (c)] and SLS glass pillars [(b) and (c)] fabricated by using different thickness of Cr coat. [Cr 120nm: (a) and (b), Cr 400nm: (c) and (d)].
Figure 2. Microscopic images of the new photomasks with larger dot size.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件