利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.13】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23OS0024

利用課題名 / Title

液体中での高感度力検出に適した金属製カンチレバーの試作

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

液中力学計測,集束イオンビーム/ Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

影島 賢巳

所属名 / Affiliation

大阪電気通信大学 工学部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

市川 聡

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-005:複合ビーム3次元加工・観察装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

生体を始めとする、ミクロンスケールからナノスケールに至るソフトマター系の力学応答を液体中で計測するため、微弱な力学的相互作用を高感度で安定に検出できるカンチレバー型の力センサーを、耐久性と加工性に富む金属箔を用いて試作した。このカンチレバーの先端部分に、測定対象となる細胞などの生体試料や修飾コロイド球などの任意の物体を搬送して捕捉する必要がある。そのための方法として、液体フローや外部電場による誘電泳動を用いることを計画している。

実験 / Experimental

このカンチレバーを用いた実際の計測では、カンチレバーの自由端近くに測定対象物体を搬送し固定する必要がある。そこで、液体フローや外部電場による誘電泳動が使用できるよう、捕捉対象物の大きさに適合する直径の凹部をカンチレバー上に作成し、その中央に電場や流体を導入するための穴を空けた2重構造の捕捉用ポケットを作成することを試みた。あらかじめ0.1 mm幅に裁断した厚さ5 μmのTi箔に、ビーム3次元加工・観察装置の集束イオンビーム機能を用いて捕捉用加工を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

捕捉用ポケットのサイズは、想定している捕捉対象物の1つである単一細胞の大きさを目安にして、凹部の外径を5 μm、その中央の貫通孔の直径を3 μmとした。加工時の加速電圧は5kVであった。最初に凹部を製作し、その後に中央に貫通孔を作成する手順にすることで、加工時の再付着等による構造の乱れの少ない良好な形状作成をおこなうことができた。実際に作成した捕捉用ポケットの画像を図1に示す。直径3 μmの孔に適合する尖鋭度の針状電極を用いて誘電泳動が可能であることは別途実験で確認できているので、今後は実際にこのカンチレバーを用いて対象物を捕捉することを試行する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 集束イオンビーム加工によって、Ti箔に作成した捕捉用ポケットの二次電子像。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

集束イオンビーム加工においては、大阪大学超高圧電子顕微鏡センターの市川聡博士に全面的にご協力いただきました。また本研究は、科学研究費補助金(課題番号22K04934)による支援を受けています。ここに謝意を表します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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