利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.12】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23OS0015

利用課題名 / Title

RAC1光スイッチによるアクチン重合・分岐の急速凍結クライオ電子線トモグラフィー

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,生体イメージング/ In vivo imaging


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

中田 隆夫

所属名 / Affiliation

東京医科歯科大学 医歯学総合研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

稲葉弘哲,吉原壮悟,今崎剛,仁田亮

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

光岡薫,青山一弘

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),共同研究/Joint Research


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-004:300kVクライオ電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

葉状仮足は枝分かれしたアクチン線維に富む細胞遊走などに重要な構造で、RAC1の活性化によって形成される。光遺伝学ツール、Photoactivatable-Rac1 (PA-Rac1)を用い、青色光の照射と急速凍結法との連携によってRac1活性化後のタイムコース試料を作製する。この凍結細胞試料をクライオ電子線トモグラフィに供し、アクチン細胞骨格のネットワークを解析し、葉状仮足形成におけるアクチン重合・分岐の素過程を明らかにする。

実験 / Experimental

昨年度、大阪大学超高圧電子顕微鏡センターのクライオ電子顕微鏡Titan Krios (300 kV)で位相板を用いて撮影することで、コントラストの高い像が得られるようになった。 クライオ電子顕微鏡では、細胞の大まかな形態しか分からないため、細胞にアクチンマーカーであるLifeact-mCherryを遺伝子導入し、凍結後にクライオ蛍光顕微鏡EM Cryo CLEM (Leica)を用いて蛍光を観察した。この蛍光像と相関をとり、クライオ電子顕微鏡による観察を実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

クライオ電子顕微鏡でアトラスを撮影し、グリッドのオリエンテーションを確認した。低倍率での観察で、蛍光顕微鏡で観察した細胞を同定した。さらに、細胞の形態やホールの位置からLifeact-mCherryの蛍光像から同定した葉状仮足の位置を求め、高倍率で連続傾斜像を取得した。CLEM観察による霜のコンタミや、氷の厚さのばらつきなど、課題も残っているが、蛍光像と相関があり、かつコントラストの高いトモグラフィー像が得られた。また、これまで電顕像から細胞の端を同定して撮影した際には見ることのできなかったメッシュ状のアクチン構造を観察することができた。MOD/etomoでの三次元再構築後、EMAN2の機械学習機能によってアクチンと細胞膜のセグメンテーションを行なった。さらに、MATLABを使って線維状の構造を追跡することで、アクチン線維を自動抽出し、長さや曲率などのパラメータを求めた。 現在、論文投稿準備中である。また、今後初代培養海馬神経細胞を用いて同様の実験を行い、葉状仮足ならびに成長円錐の観察も行う。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は青山一弘招へい教授との共同研究として実施しました。また光岡薫教授には多大なご支援をいただきました。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る