利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.12】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23OS0006

利用課題名 / Title

添加剤分子の溶解構造の差異に伴うトライボロジー特性の変化

利用した実施機関 / Support Institute

大阪大学 / Osaka Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

平山 朋子

所属名 / Affiliation

京都大学 機械理工学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

谷 海洋

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),共同研究/Joint Research


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

OS-006:高分子・生物系電子顕微鏡用試料作製装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

潤滑油中に含まれる「添加剤」は界面活性剤の一種であり、極性基と非極性基を有している。極性基が金属表面に吸着層を形成し、金属表面を保護、金属同士の直接接触、酸化を防止することで、摩擦と摩耗を低減することができる。本研究では、添加剤の一種である2-ヘキシルデカン酸ナトリウム(2HDNa)に着目する。2HDNaの水溶液は、濃度を変えることで異なる「にごり」状態を示すことが分かっている。これは、2HDNa分子が特定の濃度でアグリゲーションを形成するためと推察されている。 摩擦実験結果により、添加剤分子のアグリゲーションが摩擦摩耗特性に影響を及ぼしていることが分かってきた。DLS測定法を用いてアグリゲーションの平均サイズを測定したところ、約180nmであることが分かった。しかし、DLSはサイズの値しか測定できず、アグリゲーションの形態を観察することができない。 本研究では、200kV原子分解能走査透過分析電子顕微鏡を利用して、添加剤2HDNaが特定の濃度で形成するアグリゲーションの形態を観察することで、添加剤分子の溶解構造と摩擦摩耗特性の関係性を明らかにする。

実験 / Experimental

本研究は、200kV原子分解能走査透過分析電子顕微鏡(H-7000)を利用して、2HDNaが特定の濃度で形成するアグリゲーションの形態を観察することを目的とする。実験では、異なる濃度(1mM、10mM、15mM、25mM、50mM、100mM)の2-ヘキシルデカン酸ナトリウム(2HDNa)の溶液をカーボン膜が作製された基板に滴下し、酢酸ウランで染色し、観察を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

本研究では、2HDNaが特定の濃度で形成するアグリゲーションの形態を観察することを目的としたが、残念ながら実験はうまくいかなかった。すべてのサンプルで、大きさも形も異なる物質が観察された。2HDNaは他の溶質と異なり、水中での構造が濃度によって変化することが分かっている。そして、今回の観察がうまくいかなかった原因として、試料を作る過程で2HDNa濃度が変化し、それによって構造が変化してしまった可能性が考えられた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)



成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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