【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.11】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1294
利用課題名 / Title
低損失微小共振器の作製(2)
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials
キーワード / Keywords
光導波路, 光周波数コム,光集積回路,微小共振器,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,ダイシング/ Dicing,フォトニクス/ Photonics,3D積層技術/ 3D lamination technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
久世 直也
所属名 / Affiliation
徳島大学 ポストLEDフォトニクス研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
西本健司
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-209:磁気中性線放電ドライエッチング装置
KT-218:レーザダイシング装置
KT-219:ダイシングソー
KT-230:UVオゾンクリーナー・キュア装置
KT-333:触針式段差計(加工評価室)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では光集積回路の新規光源として注目されるマイクロ光周波数コム(マイクロコム)[1]の開発を目指している。マイクロコムは従来の光周波数コムが抱える課題(サイズや価格)を解決しうる光周波数コムであり、マイクロコムにより、光周波数コムの長所である“超精密”と“光集積”が融合し、新規応用が実用に近い形で開拓されることが期待されている。マイクロコムの発生には低損失の光導波路を構成する微小共振器が必要である。本課題では、エッチング後のレジスト除去のプロセスが与える残留ポリマー、デポ物に関する調査を行った。またレーザーダイシングにより小片化を行った。
実験 / Experimental
以下の手順に従って、微小共振器を作製とレジスト除去を行い、作製した微小共振器をSEMで観察した。①i-lineステッパーで形成した、レジストパターンが描写されたウエハを破片化したものをUVオソンクリーナー・キュア装置でUVキュアを行う。②磁気中性線放電ドライエッチング装置でTa2O5にレジストパターンを転写する。その際、エッチング時間を3パターン試し、残留レジストの量を調整した。③レジストの除去の手法として、SPMのみ、SPM + アッシングの2種を行う。④レーザーダイシングによるウエハ片を1 cm*1cmに小片化する。 ⑤徳島大学にあるFE-SEMで微小共振器を観察する。
結果と考察 / Results and Discussion
エッチング時間を長く設定し、レジストを削り切った場合に、後処理なしの場合とSPM洗浄した場合の結果を図1(a), 1(b)に示す。この結果から、残留レジストがない状態でも洗浄過程でむしろデポ物が付着することがあることが分かった。このデポ物はその後のアッシングで除去することができた。レジストが中量残っている場合にSPMでレジスト除去を行うと、残留レジストが少ない場合に比べて、デポ物込みの絨毯のような状態が観測された(図1(c))。これはその後のアッシングでは除去できなかった。以上のことから、残留レジストをできる限り少なくするようにエッチング時間を設定することがレジスト除去後の光導波路を綺麗にするために重要であることが分かった。
またレーザーダイシングで小片化できたものの、光の透過率が大幅に下がることが分かった。これはレーザーダイシングによって局所的に温度が上昇した光導波路部において材料(Ta2O5)の結晶化が起きたのではないかと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Figure 1. The top of the waveguide. (a) No residual photoresist after etching and no post-processing. (b) No residual photoresist after etching, followed by SPM. (c) Residual photoresist after etching, followed by SPM.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献:[1] T. J. Kippenberg et. al, Science 361, eaan8083 (2018).
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件