利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.11】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KT1415

利用課題名 / Title

強誘電体と窒化物半導体を用いた横型擬似位相整合スクイーザ

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

強誘電体, 窒化物半導体, 波長変換,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,スピントロニクス/ Spintronics


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

片山 竜二

所属名 / Affiliation

大阪大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

野呂諒介

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

河野恵子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-252:ICP-RIE装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

励起レーザや位相変調器と集積可能かつ高効率スクイーザの実現にはレーザ媒質であるGaN等の窒化物半導体と非線形光学係数の大きいMgO添加LiNbO3(MgO:CLN)等を組み合わせた光デバイスが好ましい。また、導波路構造を採用することで光パワー密度を上げ、デバイスを高効率化することができる。本研究では異種材料を用いたスクイーザを実現できる横型擬似位相整合を採用した。図1に本デバイスの概要を示す。導波路のコアはMgO:CLN/GaNであり、MgO:CLNとGaNの膜厚をそれぞれ350 nm、120 nmとすることで波長405 nmの励起光から波長810 nmのスクイーズド光を発生させることができる。本課題ではデバイスの作製を行った。

実験 / Experimental

作製プロセスを図2に示す。(a)膜厚調整したGaNとMgO:CLNを表面活性化接合した。(b)CLN基板を剥離し、導波路形状のCr/Niマスクを形成した。(c)SiO2をCCP-RIEでエッチングした後、MgO:CLNとGaNをICP-RIEでエッチングした。このときMgO:CLNのエッチングには京都大学ナノテクノロジーハブ拠点の誘導結合型反応性ドライエッチング装置(ICP-RIE、ULVAC、NE-730)を用いた。MgO:CLNのエッチング条件は昨年度最適化したAr流量50 sccm、アンテナパワー100 W、バイアスパワー70 W、チャンバ圧力0.27 Paとした[1]。この条件でのエッチングレートから350 nmのMgO:CLNをエッチングするために40分間エッチングした。(d)SiO2クラッドをスパッタし、光結合のために端面を研磨した。

結果と考察 / Results and Discussion

図3にCr/Niマスク形成後と各エッチング後の導波路のSEM鳥瞰図を示す。Cr/Niマスク幅は0.82 μm、高さは200 nmであった。SiO2のCCP-RIE後のパターン幅は0.94 μmであり、Cr/Ni + SiO2の高さは680 nmであった。CCP-RIEによってCr/Niマスクはほとんどエッチングされないことが分かった。MgO:CLNのICP-RIE後、パターン幅は1.4 μmとなった。また、Cr/Niは完全にエッチングされていた。SiO2 + MgO:CLNの高さは690 nmであり、MgO:CLN厚さが350 nmであることを考えると、SiO2は340 nm残っていた。GaNのICP-RIE後のパターン幅は1.4 μmとなっていた。図4に端面研磨後の端面SEM像を示す。MgO:CLNとGaNの膜厚がそれぞれ347 nm、119 nmであり、上辺と下辺の幅がそれぞれ1.2 μm、1.4 μmの導波路を作製することができた。導波路形状により位相整合波長が決まる。この導波路形状では波長399 nmの励起光から波長798 nmのスクイーズド光を発生させることができると計算された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 MgO:CLN/GaN横型擬似位相整合スクイーザ



図2 作製プロセス



図3 SEM観察結果



図4 MgO:CLN/GaN横型擬似位相整合導波路端面SEM像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:[1] G. Ulliac et al., Opt. Meter. 53, 1 (2016).
本研究は大阪大学フェローシップ「量子リーダー人材(QLEAR)」と科研費JP17H01063の助成を受けたものです。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Ryosuke Noro, Fabrication of polarity inverted LiNbO3/GaN channel waveguide by surface activated bonding for high-efficiency transverse quasi-phase-matched wavelength conversion, Japanese Journal of Applied Physics, 62, 102001(2023).
    DOI: https://doi.org/10.35848/1347-4065/acf823
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. R. Noro, M. AAdachi, Y. Fujiwara, M. Uemukai, T. Tanikawa, and R. Katayama, “Fabrication of polarity inverted LiNbO3/GaN channel waveguide by surface activated bonding for high-efficiency transverse quasi-phase-matched wavelength conversion,” Jpn. J. Appl. Phys. 62, 102001 (2023).
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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