【公開日：2024.07.25】【最終更新日：2024.04.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KT0008

利用課題名 / Title

Ni-Mn複合酸化物ナノ粒子の構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion（副 / Sub）-

キーワード / Keywords

酸化物ナノ粒子, 電極触媒, 水素エネルギー関連材料/ Hydrogen energy related materials, 透過型電子顕微鏡/ Transmission electron microscopy

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

原田 雅史

所属名 / Affiliation

奈良女子大学 生活環境学部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

清村　勤

利用形態 / Support Type

（主 / Main）技術代行/Technology Substitution（副 / Sub）-

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-402：球面収差補正透過電子顕微鏡

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

マンガン酸化物電極触媒は電圧を印加させることで表面構造や価数が変化し易いため、酸素生成反応（OER）と酸素還元反応（ORR）の二機能性を持つ優れた触媒として知られている。本研究では、マイクロ波を用いた急速加熱により、Mn₃O₄の一部をNiイオンで置換したNi-Mn複合酸化物ナノ粒子電極触媒(Ni_xMn_3-xO₄(X=0, 0.5, 1, 1.5, 2))を合成し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、その粒径や分散性を評価した。また、OER・ORR反応活性と構造との関連性を調べ、反応活性サイトについて検討した。

実験 / Experimental

オレイルアミン、オレイン酸 等の保護剤を含む 1-ドデカノール溶液に出発原料の金属錯体を添加し、マイクロ波照射によりNi-Mn複合酸化物ナノ粒子を200 ℃で液相合成した。次に300 ℃で 3 時間焼成した後、エタノール／メタノール混合溶媒で数回遠心分離することで精製し、粉末状のNi-Mn複合酸化物ナノ粒子電極触媒を得た。粉末試料を 2-プロパノールに分散させ、分散液をカーボン支持膜付きCuグリッドに滴下しTEM観察用の試料とした。TEM像と電子線回折パターンは、JEM-2200FSを用いて観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

TEM観察の結果、一次粒子の平均粒子径はNi_0.5Mn_2.5O₄で6.2 nm、NiMn₂O₄で8.3 nm、Ni_1.5Mn_1.5O₄で9.2 nmであった（図1）が、一次粒子は凝集する傾向が見られた。XRDの結果から、いずれの試料も単相であり、回折ピークの線幅から見積もられる結晶子サイズとTEM観察で得られた平均粒子サイズはほぼ一致していた。また、電子線回折パターンは、XRD回折パターン同じ傾向を示し、高Mn含有量(x ≤ 0.5)では典型的な正方晶系を示し、低Mn含有量(x ≥ 1.0)では立方晶系を示していた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

図１　Ni_0.5Mn_2.5O₄（左）、NiMn₂O₄（中央）、Ni_1.5Mn_1.5O₄（右）電極触媒のTEM画像

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究はJSPS科研費22K05192の助成を受けたものです。
特に、TEM観察の際、支援していただいた京都大学化学研究所先端ビームナノ科学センター複合ナノ解析化学研究領域　清村勤氏に深く感謝いたします。

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件