【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT0052
利用課題名 / Title
自己集合性ジペプチドと界面活性剤からなる超分子複合体の構造解析
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/ Electronic microscope,バイオアダプティブ材料/ Bioadaptive materials,高機能ハイドロゲル/ Highly functional hydrogel
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
窪田 亮
所属名 / Affiliation
京都大学大学院 工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
浜地 格,鳥越 祥吾
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
小川 哲也
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
細胞は外部エネルギーを取り込むことで多様な非平衡ダイナミクスを創発している。その中でも微小管は、GTPをエネルギー源として、伸長と収縮を繰り返す動的不安定性を実現している。このような非平衡ダイナミクスを、合成分子で再現することができれば、これまでにない非平衡な機能を有する新たな超分子マテリアルを創出する技術になると期待される。我々の研究グループでは、ジフェニルアラニン誘導体からなる超分子ファイバー・ゲルと界面活性剤ミセルを混合することで、動的不安定性を創発できることを報告している。これまでに、様々なコントロール実験から超分子ファイバーとミセルが相互作用している結果が得られていたが、この超分子複合体の詳細な構造については明らかではなかった。本実験では、CryoTEMを用いた超分子複合体の詳細な構造解析について検討を行なった。
実験 / Experimental
ペプチド型超分子ファイバー・ゲルに対して界面活性剤ミセルを添加したのち、異なる経時時間においてCryoTEM観察を行なった。
結果と考察 / Results and Discussion
はじめに界面活性剤を添加していない超分子ファイバー単独のcryoTEM観察を行なったところ、幅10 nmのファイバー状構造が明確に観察された。一方で、界面活性剤ミセルは直径8 nm程度の点として観察された。超分子ファイバーと界面活性剤を混合した後のcryoTEM観察では、ファイバー状構造体が観察され、その数が減少していることが確かめられた。一方で界面活性剤ミセルの黒点は明確には観察されなかった。また界面活性剤はファイバー末端に相互作用していると予想されるものの、今回得られたcryoTEM画像ではそのような様子は観察されなかった。今後は異なる界面活性剤等を用いて、さらなる観察を続ける予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Cryo-TEM images of supramolecular fibers added SDS. (a) w/o micelle, (b) + 5 mM SDS after 6 hours, (c) + 5 mM SDS after 7 days and (d) + 50 mM SDS after 7 days.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献:1. S. Torigoe, K. Nagao, R. Kubota*, I. Hamachi*. Emergence of dynamic instability by hybridizing synthetic self-assembled dipeptide fibers with surfactant micelles. Journal of the American Chemical Society accepted for publication (2024). DOI: 10.1021/jacs.3c14565
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件