【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.18】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22AE0008
利用課題名 / Title
アーク溶接プロセスにおける電極ワイヤ内部の溶融・流動現象のその場観察
利用した実施機関 / Support Institute
日本原子力研究開発機構 / JAEA
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
溶接・接合,アーク溶接,アークプラズマ,溶融金属,電磁粘性熱流体
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
荻野 陽輔
所属名 / Affiliation
大阪大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
佐藤祐理子,中島颯汰,大串隼士,廣田稜己,丸山敏生,佐野智一,城鮎美
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
菖蒲敬久,冨永亜希
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では、製造業において不可欠なアーク溶接プロセス中に生じている物質・熱輸送現象を解明・体系化し、プロセスコントロール技術を創出することを目指している。本課題ではアーク溶接現象において強く影響を及ぼす電極ワイヤの溶融・流動現象を高輝度放射光X線による透過イメージングにより直接観察し、電極ワイヤ内部におけるその現象を可視化することを目的とした。
トレーサ粒子を封入したワイヤを用いて実験を行った結果、材料の密度差に起因する明暗差をもつ透過画像を得ることができ、高速度カメラによる観察によりトレーサ粒子の位置を追跡することにより溶融ワイヤ内部における流動分布を可視化することができた。この流動現象は、電流値やプラズマの形状に依存して大きく変化していることが計測された。
実験 / Experimental
BL22XUの実験ハッチに申請者が保有している溶接電源やワイヤ送給装置などからなる溶接実験装置を持ち込み、タングステントレーサ粒子(φ50μm)を封入したアルミニウムワイヤ(φ1.2mm)に通電することで、アークプラズマを発生、ワイヤを溶融させた。この溶融したワイヤの側方より高輝度放射光X線を照射し、高速度カメラを用いて透過画像を取得することで、アルミニウムワイヤ内部におけるトレーサ位置の時間変化を追跡した。使用した高輝度放射光X線のエネルギーは30keV、高速度カメラのフレームレートは3000fpsとした。
結果と考察 / Results and Discussion
上述の実験条件を用いて、その場観察を行ったところトレーサ粒子は明確な明暗差をもって観察することができ、これを追跡することで溶融ワイヤ内部における流動を観察した。アークプラズマによって電極ワイヤが溶融するとともに、電極ワイヤ送給速度と比較して溶融部における速度は大きく上昇しており、電極ワイヤ溶融部においては大きな加速度が生じていることが可視化された。また、電流値が大きくなるほど溶融部における速度も大きくなる傾向がみられた。さらに、溶融電極ワイヤ内の位置によってトレーサ粒子の移動速度は変化しており、くびれ部における速度が大きくなっていた。これらのことから、溶融電極ワイヤ内を流れる電流によって発生する電磁気力の影響が大きいことが示唆される。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件