【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.26】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KU1028
利用課題名 / Title
Pt/TiO2モデル触媒におけるPtとTiの電子状態解析
利用した実施機関 / Support Institute
九州大学 / Kyushu Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
金属担体相互作用,ナノ粒子/ Nanoparticles
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
北條 元
所属名 / Affiliation
九州大学大学院総合理工学研究院
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
北條元,鈴木隆玄
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
柿田有理子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
Ptを活性種とした担持金属触媒は様々な用途で用いられている。資源的に希少なPtの使用量低減のため、担持金属触媒の高機能化が必要である。Ptと担体との間の相互作用は金属担体相互作用と呼ばれ、触媒活性に大きな影響を与えることが知られている。申請者らは金属担体相互作用の詳細を明らかにすることを目的に、TiO2エピタキシャル薄膜を担体としたモデル触媒の開発を進めている。本研究では、XPS(ID:KU-501)を用いてPt/TiO2モデル触媒におけるPtとTiの電子状態を調べた。
実験 / Experimental
担体としてのTiO2薄膜はパルスレーザー堆積法を用いてr面サファイア基板上に(101)配向のルチル型薄膜として安定化させた。このようにして得られたTiO2薄膜を1.54x10-8 molのPtイオンを含んだ塩化白金酸溶液に浸漬し、500Wの高圧水銀ランプにより光還元を行い、Ptナノ粒子の担持を行った。担持後、ポスト処理(400 ℃で2時間酸化処理後に、200 ℃で1時間の還元処理)を施すことでモデル触媒を作製した。比較としてPtの濃度を10倍にした塩化白金酸溶液を用いて同様の試料を作製した。以降、前者をPt-TiO2、後者をPt(x10)-TiO2と呼ぶ。XPS測定には島津製作所のAXIS-ULTRA(ID:KU-501)を用いた。
結果と考察 / Results and Discussion
Pt(x10)-TiO2のPt 4fスペクトルは4f7/2と4f5/2に帰属可能なピークがそれぞれ71.2 eVと74.5 eVに観測された。これらのピーク位置は金属Ptについて報告されているものに近く、Pt(x10)-TiO2中のPtは金属の状態であることがわかった。一方、Pt-TiO2のPt 4fスペクトルは4f7/2と4f5/2に帰属可能なピークがそれぞれ70.4 eVと73.8 eVに観測された。これらのピーク位置は金属Ptについて報告されているものよりも低エネルギー側に存在することから、Ptはマイナスに帯電した状態であることが示唆された。第一原理計算からは、TiO2からPtへの電荷移動が起こり、Ptδ-状態が安定化されることが示唆されており、今回得られた結果はその予想を支持するものである。Pt(x10)-TiO2では電荷移動によりPtとTiO2の界面近傍に生じたPtδ-状態がその他多くのPt0状態に埋もれて検知できなかったと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究は科学技術振興機構、創発的研究支援事業(JPMJFR201UA)の支援を受けて行われた。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件