利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.04】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KU1002

利用課題名 / Title

異種固体界面における高分子鎖の局所配向と接着特性

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials

キーワード / Keywords

赤外・可視・紫外分光/ Infrared/visible/ultraviolet spectroscopy,異種材料接着・接合技術/ Dissimilar material adhesion/bonding technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

阿部 建樹

所属名 / Affiliation

九州大学次世代接着技術研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

田中敬二

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-503:表面・界面分子振動解析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

高分子接着剤による異種材料の接合は、ボルト、リベットによる接合と比較して、部材の軽量化や接合プロセスの簡素化が達成できるため、適用範囲の更なる拡大が期待されている。接着特性は、接着界面における高分子の構造・物性と密接に関連する。しかしながら、表面、界面における凝集状態・熱運動特性を選択的に評価することは困難であり、その理解は不十分である。本研究課題では、接着前における被着体表面、および、接着後における接着剤/被着体界面の局所配向を明らかにし、接着特性との相関を明らかにすることを最終的な目的とした。

実験 / Experimental

試料として、数平均分子量が300k、および、分子量分布指標が1.05のポリメタクリル酸メチル(PMMA)を用いた。示差走査熱量測定に基づき評価したPMMAのガラス転移温度は403 Kであった。PMMA製膜時の支持基板として、ピラニア処理により清浄化した石英基板を用いた。石英基板上にスピンコート法に基づきPMMA薄膜を調製し、433Kで24時間熱処理を施すことで試料とした。PMMAはモデル被着体として採用し、空気界面におけるPMMAの局所配向を、表面・界面分子振動解析装置に基づき評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1.は、偏光組み合わせをsspとしたときの、空気界面におけるPMMAの分子振動スペクトルである。2,912および2,955 cm-1に、それぞれメチレン基のCH対称伸縮振動 (CH2s)および側鎖エステルメチル基のCH対称伸縮振動(OCH3s)に帰属されるピークが観測された。すなわち、空気界面において、PMMAのメチレン基、および、エステルメチル基が配向していることを示している。これは、PMMAが表面自由エネルギーを最小化させるため、疎水的な官能基を空気界面に配向させた結果と考えれば理解できる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1. Vibrational spectrum for PMMA at the air with the ssp polarization combinations.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、JST、未来社会創造事業、JPMJMI18A2の支援を受けたものです。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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