利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.05】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23JI0052

利用課題名 / Title

インターロックケージ分子の質量分析

利用した実施機関 / Support Institute

北陸先端科学技術大学院大学 / JAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

質量分析/ Mass spectrometry


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

阿部 司

所属名 / Affiliation

国立大学法人東京大学大学院総合文化研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

宮里 朗夫

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

JI-019:フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

二つのかご状の分子が互いに貫入し合うことで生成するインターロック分子は、複雑な幾何構造を持つため注目されている有機金属ケージ分子の一つである。我々は1分子のインターロックケージ内に3分子のフッ化物イオン(F)あるいは塩化物イオン(Cl)、その両方が内包されるインターロックケージ分子を合成した。さらにClが内包されたインターロックケージに対してルイス酸を作用させることにより新しいケージ化合物の形成が示唆された。調製したこれらのケージ化合物を質量分析装置用いて同定を実施した。

実験 / Experimental

インターロックケージ分子およびインターロックケージ分子とルイス酸を作用させて調製したニトロメタン溶液をフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FT-ICR MS)を用いて測定し、溶液成分における質量分析スペクトルを得た。

結果と考察 / Results and Discussion

質量分析スペクトルを解析した結果、3分子のCl–、、Fおよび2分子のClと1分子のFが包摂された3種類のインターロックケージ分子に由来するシグナルが複数の多価イオンのシグナルとして観測され、該当するインターロックケージ分子の形成を確認した。また、Clが内包されたインターロックケージ分子とルイス酸との反応によって生成した分子はインターロックケージから2分子の配位子が脱離して生成した[2]-カテナンであることが明らかとなった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図. FT-ICR MS質量分析によって検出された3種類のインターロックケージと[2]-カテナンの模式図


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

宮里朗夫様には質量分析スペクトル測定でお世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 阿部 司, 平岡秀一,"エネルギーラチェット機構に基づく準安定なPd4L8インターロックかご形錯体の形成とその動的挙動" 第20回ホスト-ゲストシンポジウム(東京), 令和5年6月17日
  2. 阿部 司, 平岡秀一,"Formation of a metastable Pd4L8 interlocked cage complex based on the energy ratchet mechanism" 日本化学会第103回春季年会(東京), 令和5年3月22日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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