【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.31】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1247
利用課題名 / Title
3Dプリンター製積層材料の組織評価
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
金属積層造形,指向性エネルギー堆積法,SUS630,走査方向依存性,マルテンサイト組織,電子顕微鏡/ Electronic microscope,3D積層技術/ 3D lamination technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
木下 勝之
所属名 / Affiliation
京都大学 大学院エネルギー科学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐藤政司
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
金属積層造形は,従来加工法の数十倍の温度勾配を持つ熱過程を材料に与えるため,従来加工法では得られない材料組織を生成する可能性がある.本研究では,析出硬化型マルテンサイト系ステンレス材であるSUS630鋼を金属積層造形法の一種である指向性エネルギー堆積法を用いて造形し,EBSDを用いて,そのマルテンサイト組織を観察した.
実験 / Experimental
走査方向を変えて製作したSUS630造形材を準備し,日立低真空分析走査電子顕微鏡(SU-6600)および付属する後方散乱電子回折像検出器(HKL Channel 5 IRカメラ)を用いて,マルテンサイト組織を観察した.試験片の走査方向と試験片名の関係は,図1に示す通りである.なお,観察面は,機械研磨,バフ研磨,電解複合研磨を行い平滑化した.
結果と考察 / Results and Discussion
図1の太線は,方位差15°>のブロック境界を表し,走査方向によってブロックサイズが異なっていることがわかる.特に,Z試験片は,平均ブロックサイズがX,Y試験片と比較して1.2倍大きくなる結果がえられた.通常の低炭素鋼に関する先行研究[1]では,冷却速度が高くなるほど微細なブロックが形成されることが報告されている.しかし,積層前後の試験片寸法の変化*から,Z試験片が最も高温に達したと考えられ,すなわち冷却速度も最も高かったと考えられる.よって,積層材のマルテンサイト変態は通常材とは異なることが示唆される結果が得られた.*高温になるほど,未溶融粒子が減るため積層材の寸法が大きくなる.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 積層材試験片の走査方向
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献:[1]津崎兼彰,牧正志,Fe-Ni径ラスマルテンサイト組織におよぼす冷却速度の影響,日本金属学会誌,p126-133, 45(1981).
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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K. Kinoshita, Influence of scanning strategy on magnetic properties of 630 stainless steel fabricated by directed energy deposition method, AIP Advances, 14, (2024).
DOI: https://doi.org/10.1063/9.0000738
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件