【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0370
利用課題名 / Title
国内外の参考粘土試料の不純物相の特定
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
未利用資源の有効利用技術/ Technologies for effective utilization of unused resources,X線回折/ X-ray diffraction,易循環型材料設計技術/ Recycling-friendly material design technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
小暮 敏博
所属名 / Affiliation
東京大学 大学院理学系研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
府川和弘,飯盛桂子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
地球表層で形成される粘土鉱物は、これまでも様々な形で人間社会を支える資源として活用されてきたが、今後は持続可能な社会構造の構築のためにその重要性はさらに増すと思われる。天然資源である粘土鉱物は、多くの場合原鉱石には様々な不純物質が含まれ、コストに見合う精製プロセスでも完全に純粋な材料とすることができない。そのためこのような不純物を特定し、その存在量を把握することがその用途のために重要である。今回は日本粘土学会及び米国粘土鉱物学会が頒布している参考粘土試料のうちカオリナイト(Al2Si2O5(OH)4)試料について、その不純物物質や同定や試料の結晶性の評価をARIM(東京大学)の粉末X線回折装置を用いて行なった。
実験 / Experimental
日本粘土学会が頒布しているカオリナイト試料(関白鉱山産)の旧ロット(JCSS-1101b)及び2020年9月に変更になった新ロット(JCSS-1101c)、さらに米国粘土鉱物学会(Clay Mineral Society)が頒布している高結晶性カオリナイト試料(KGa-1b)及び低結晶性カオリナイト試料(KGa-2)の4つについて、(株)リガク製のSmartLab(3 kW) (装置ID: UT-203)を用いて粉末XRDパターンを測定した。通常のガラス製の試料ホルダーにカオリナイト粉末を充填し、Bragg-Brentano法の配置で回折パターンを2 Thetaを5°から65°まで記録した。
結果と考察 / Results and Discussion
日本粘土学会のJCSS-1101b(旧ロット)からの回折パターンにはカオリナイトの回折ピーク以外に不純物物質からの回折ピークが検出され、これらは明礬石及び石英に由来することが明らかになった。一方JCSS-1101c(新ロット)にはこれらの不純物由来の回折ピークはほとんど見られず、ほぼ純粋なカオリナイトとなっていることがわかった。一方米国粘土鉱物学会の両試料からは二酸化チタン(アナターゼ)の回折ピークが確認された。またJCSS-1101bに比べJCSS-1101cでは2-thetaが20-30°付近の回折ピークが鋭く現れ、積層欠陥等の密度がかなり減少していることが明らかになった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
装置の準備及び使用法についてご指導いただいたARIMの府川和弘様と飯盛桂子様に感謝いたします。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件