【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM0190
利用課題名 / Title
リサイクル樹脂の劣化評価及び添加剤の劣化評価
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
クロマトグラフ/ Chromatograph,資源循環技術/ Resource circulation technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
大西 雅之
所属名 / Affiliation
三井・ダウポリケミカル株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
服部晋也
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
樹脂リサイクルを進めるにあたりどのような環境に曝されると劣化が進むのかを把握する必要がある。
本試験では数種の条件で曝露した樹脂中の添加剤について分解挙動を把握する。
実験 / Experimental
①条件確認
今回対象としたTinuvin770及びIrganox1010について液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)での検出位置、フラグメントを確認した。
②添加剤の確認
エチレン-酢酸ビニル共重合体にTinuvin770及びIrganox1010を混ぜた樹脂を作製した。
作製した樹脂をA, B, C, Dそれぞれの条件にて保管した。各条件にて一定期間保管後、樹脂を再沈殿法で処理し添加剤を抽出した。
抽出液をLC-MSで測定し、添加剤の状態を確認した。
結果と考察 / Results and Discussion
①条件確認
Tinuvin770についてはピークがR.T1.05minに検出されたことから本条件ではカラムに保持されなかった。そのため、分解物の確認はできなかった。
一方でIrganox1010はR.T.7.9minに検出された。マススペクトルを確認したところm/z 1199が確認され、Na付加であると推測される。
②添加剤の確認
今回、4つの条件にて確認した。A条件では標準品と変わらないことから分解は起こっていないことが確認できた(図3)。
一方で条件CはIrganox1010のピークが小さくなっていることが確認できた。
また、R.T.3.2minに不明なピークが確認された(図4)。このピークについてマススペクトルを確認したところm/z 342が検出されていた。
Irganox1010ではなく、Tinuvin770の分解物の可能性があるがm/z 342以外は検出されておらず判断はできなかった。
今後、m/z 342の解析を進めるとともに条件と分解物の関係性からどのような環境下で劣化反応が進むかを解析していく。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 Irganox1010のマススペクトル
図2 Tinuvin770のマススペクトル
図3 条件Aのクロマトグラム(上段:MS, 下段:PDA))
図4 条件Cのクロマトグラム(上段:MS, 下段:PDA)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件