【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM0165
利用課題名 / Title
シアノバクテリアの環境耐性に関わるタンパク質の解析
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
シアノバクテリア, 質量分析/ Mass spectrometry, 液体クロマトグラフ質量分析/ Liquid chromatograph mass spectrometry
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
安部 智子
所属名 / Affiliation
東京電機大学 理工学部
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
服部晋也
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ネンジュモと呼ばれるNostoc属は海水や淡水、陸上に生息するシアノバクテリアの一種であり、陸棲の種は乾燥した状態で長期間生存可能であることが知られている。特に乾燥に強い株として土壌から単離されたネンジュモの1株は、熱や紫外線への耐性も有しており、国際宇宙ステーション の外部曝露部を用いた宇宙実験の生物材料として採択されている [1]。本研究では、本株の過酷環境耐性機構を明らかにすることを目的として、細胞群が湿潤状態から乾燥状態へ移行する過程、また水分を加えて乾燥状態から湿潤状態で蘇生していく過程で誘導されるタンパク質群をプロテオーム解析により探索した。
実験 / Experimental
実験には、光照射下において BG-11 液体培地で培養したネンジュモを用いた。液体培地を取り除き細胞群状にした菌体を、暗所下、デシケーター内で乾燥させ、経時的に採取した。また、乾燥後の細胞群を再び光照射下、BG-11 液体培地で培養し、蘇生させた細胞群を経時的に採取した。採取した細胞群からタンパク質を抽出し、二次元電気泳動により分離した。
結果と考察 / Results and Discussion
乾燥過程の細胞群から抽出したタンパク質および蘇生過程の細胞群から抽出したタンパク質の二次元電気泳動結果を比較した。乾燥前→乾燥過程→ 蘇生過程において、存在が変動するいつくかのタンパク質が確認された。このうち、乾燥過程と比較して蘇生過程において増加したタンパク質のスポットを切り出し、In gel digestion 法を用いてトリプシンによるペプチド断片化を行った後、LC-MS/MS(Q-Exactive)に供した。Proteome discover 2.0を用いてデータ解析を行い、目的のタンパク質を同定した。これまでは発現量に注目してトランスクリプトーム解析を行ってきたが、これらの解析では検出されなかったタンパク質が多く同定された。色素タンパク質以外はほとんどが機能未知のものであった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献:[1] Investigation of Nostoc sp. HK-01, Cell Survival over Three Years during the Tanpopo Mission. Kaori Tomita-Yokotani, Shunta Kimura, Midori Ong, Miku Tokita, Hiroshi Katoh, Tomoko Abe, Hirofumi Hashimoto, Kintake Sonoike and Masayuki Ohmori. ASTROBIOLOGY 21 (12),1505-1514, 2021 謝辞:LC-MS/MS(Q-Exactive)を使用した分析に関して、バイオ分析ユニット服部晋也博士にご支援をいただきました。本研究は JSPS 科研費 JP21K05350 の助成を受けたものです。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件