【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23AT5062
利用課題名 / Title
ドップラーブロード二ングによって調べるp型半導体ヨウ化銅のZn添加効果
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
ヨウ化銅、亜鉛添加、p型半導体、陽電子消滅分光、ドップラーブロード二ング
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
北浦 守
所属名 / Affiliation
山形大学 理学部 物理学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
満汐 孝治
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
AT-501:陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ヨウ化銅では銅空孔が主要な点欠陥であり、p型伝導の起源と考えられている。先行研究ではヨウ化銅に亜鉛を添加した場合にキャリア密度が減少すると報告された[M. Tsuji et al. ACS Appl. Mater Interfaces, 14 (2022) 33463-33471]。ヨウ化銅はノンドープであっても高いキャリア密度を示すため、そのキャリア密度を効果的に制御する方法論の確立が必要であった。これまで亜鉛添加がキャリア密度に及ぼす影響を調べるためにヨウ化銅の陽電子消滅寿命への亜鉛添加効果を調べてきた。その結果、亜鉛添加には(i)銅空孔を減らしてキャリア密度を減少させる可能性と(ii)ドナーとして振る舞って実効的に有効キャリア密度を減少させる可能性があることがわかった。そこで、2つの可能性をより詳しく調べるために、陽電子消滅同時計数ドップラーブロード二ング(CDB)を行って銅空孔まわりの元素分析を行った。
実験 / Experimental
実験試料にはノンドープと亜鉛5%ドープのヨウ化銅の焼結体ペレットを用いた。焼結体ペレットの直径は10 mmΦで試料厚さは1 mmであった。CDBの測定には2台のゲルマニウム検出器を用いた。試料とゲルマニウム検出器の間隔は23 cmであった。純銅と純鉄でもCDB測定を行い、事前に測定した線源成分の寄与を除去して2種類のヨウ化銅サンプルのCDBとの比を求めて比率曲線を得た。サンプルあたりの測定時間は20時間であった。解析時のエネルギーカットウィンドウは±2.0 keVに設定した。
利用装置:
・陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)
結果と考察 / Results and Discussion
2種類のヨウ化銅の比率曲線はよく似ていたが、10-15×10-3 mcの範囲において比率曲線にわずかな違いを見出すことができた。この領域では亜鉛5%ドープサンプルの比率がノンドープの比率よりも下回っていた。そのわずかな違いの原因を明らかにするために、現在は密度汎関数理論に基づく第一原理計算を行っている最中である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
科研費:学術変革領域研究(A)公募研究23H04094
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- M. Kitaura, K. Kimura, N. Happo, S. Watanabe, K. Michishio, H. Sekhar, K. Hayashi, M. Ishizaki, A. Ohnishi, 「Identification of zinc and vacancy sites in zinc-doped γ- CuI crystal by X-ray fluorescence holography and positron annihilation spectroscopy」International Conference on Complex Orders in Condensed Matter: Aperiodic order, local order, electronic order, hidden order (Oral presentation) 2023年9月(Evian, France)
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件