利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.21】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT5060

利用課題名 / Title

重水素核NMRによる無機層状化合物有機誘導体の測定法

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

電極材料/ Electrode material,スピン制御/ Spin control,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

町田 慎悟

所属名 / Affiliation

東京理科大学先進工学部マテリアル創成工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

服部峰之,大沼恵美子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-505:固体NMR装置 (SSNMR)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

無機層状化合物の有機誘導体の評価アセチルクロリド、酢酸、重酢酸のいずれかにより層間修飾された無機層状化合物の層間に固定化されたアセチル基の配向および層との相互作用するための固体NMR測定法を検討する。

実験 / Experimental

実験目的の達成に向けて、その最も基礎となるカオリナイトのスペクトルを測定した。カオリナイトはその組成(Al2Si2O5(OH)4)から、1H,  27Al MAS NMRスペクトルで特徴的なシグナルを示す。今回は、磁場600MHzにおいて、27Alおよび1H MAS NMRスペクトルがMAS回転数によってどのように変化するか調査した。

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig. 1-6の27Al MAS NMRスペクトルでは、6配位のAlに帰属されるシグナルが5 ppmに明瞭に観測された。また、スピニングサイドバンドの一部は反転したがこの理由は詳細には明らかではない(Fig. 1,2)。回転数を4 kHzから35 kHzに変化させて、各スピニングサイドバンドの間隔を離したところ、これまでのカオリナイトの27Alでは観測されなかった弱い強度のシグナルが72, 55, 17 ppmに観測された(Fig.3-6 )。72, 55 ppmはγ-Al2O3などのスペクトルで観測される4配位と5配位にAlに帰属されるシグナルの位置に近い。ただし、17 ppmも含めて、カオリナイトの骨格構造に関する新たな知見か随伴鉱物中のAlに依るものかは、今後詳細な議論が必要である。また、シングルパルスとプロトンデカップリングのシグナルにおいて、観測されるシグナルの数に違いはなかった(Fig.3-6)。 Fig.7,8に1H MAS NMRスペクトルを示す。回転数を4 kHzから35 kHzに変化させたところ、スペクトルの分解能が向上した。また、各スピニングサイドバンドの間隔は離れた。35 kHzで測定したスペクトルには、鋭いシグナルの低磁場位に2つのショルダーが観測された。これまでのカオリナイトの1H NMRスペクトルでは2つのみだった。また、カオリナイトは他の粘土鉱物と比較して吸湿しにくいため(例えば、TG曲線で吸着水の脱離による重量減少はせいぜい1~2wt%のため)、最も低磁場位のショルダーが吸着水、カオリナイトの骨格構造、随伴鉱物によるものかについても、今後詳細な議論が必要である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig1



Fig2



Fig3



Fig4



Fig5



Fig6



Fig7



Fig8


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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