【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.11】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23AT0402
利用課題名 / Title
窒化物超伝導薄膜およびナノ構造による新奇デバイス開発
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
高周波デバイス/ High frequency device,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,X線回折/ X-ray diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
牧瀬 圭正
所属名 / Affiliation
国立天文台
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
大塚 照久
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
国立天文台ではALMA2プロジェクトでSISミキサのさらなる高性能化に向けて開発を行っている。バンド10ミキサはNbTiN膜上にNb接合形成し、Alで配線されている。高周波特性の向上のためにωCR積を小さくする必要があり、現行の10kA/cm2より2倍以上の臨界電流密度かつリークの少ない高品質な接合の実現しなければならない。BAND10の素子は非結晶性の溶融石英基板で作製されており、品質向上のためのNbTiN膜の結晶性を向上することが困難であった。NbTiN膜を石英基板上に成膜すると111配向が支配的となり、膜表面の凹凸が激しくなる。その上に作製するNbのジョセフソン接合の絶縁層が凹凸の影響を受けてリーク電流の大きな接合になる可能性があるため、石英基板に200配向したNbTiN膜を実現するかがこれまで課題であった。
実験 / Experimental
バッファーとなるMoN薄膜はMoターゲットを用いてArとN2の混合ガス中でDCマグネトロンスパッタ法で成膜した。このMoNを下地としてNbTiのターゲットを用いて反応性DCスパッタによりNbTiN膜を成膜した。構造解析および組成分析に関してはXRDおよびEDSを用いて調べた。抵抗―温度特性を測定し超伝導転移温度も調べた。抵抗ー温度特性は設備である日本カンタム・デザイン (Quantum Design Japan)のPPMSを用いて測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
Si基板上に成膜したMoN膜は成膜条件を最適化することでSi基板上にγ-Mo2Nとして200配向している。このMoNをバッファーとしてNbTiN膜を成膜した。NBTiN膜は200ピークが観測された。これは111配向した膜に比べて平坦性が良いためNb接合の特性向上も期待できる。BAND10ミキサの構造を模擬してNbTiN膜を成膜その上にNb3層を成膜した。200配向が強くでており、バッファー層の効果が顕著である。さらにNbに関しても110だけでなく200ピークが見られている。これは下部Nb電極がNbTiN膜にそろう形で配向したためであり、NbTiN膜の配向性が良いことを示している。さらにNb膜の平坦性の向上も期待できることから、高Jc化に有利であると考えている。加えてNbTiN膜の超伝導転移温度は15.2Kであり、室温の抵抗率も85.6μΩcmであり、現行のものより低くなっていることも分かった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件