利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0365

利用課題名 / Title

有機膜へのプラズマCVDによるSiN成膜試験

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

プラスマCVD,SiN,窒化ケイ素,エレクトロデバイス/ Electronic device,CVD


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小川 雄史

所属名 / Affiliation

荒川化学工業株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

宮尾佳明

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

赤松 雅洋

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-081:プラズマCVD薄膜堆積装置(SiN)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

SiNは半導体のパッシベーション膜として用いられている。主にシリコン等の無機物上に形成されるが、有機膜上にSiNを成膜できれば絶縁膜に有機物を用いられるようになるなど、設計の自由度が高まる。そこで、高耐熱性を有するポリイミド上へプラズマCVDでSiNが形成可能か検討を行った。

実験 / Experimental

各種ポリイミド系フィルム上へのSiN成膜試験を行った。ポリイミド(PI)フィルムとしてはカプトンEN、ポミランT、ユーピレックス、ゼノマックスを用いた。PE-CVDによるSiN成膜は下記条件で実施した。Siウェハに□70×70mmに裁断したPIフィルムを乗せ、4辺をカプトンテープで固定した。窒素雰囲気で350℃1時間加熱したものを用い、PE-CVDを行った。また、溶剤可溶性のPI上へのSiN成膜が可能か検討も行った。PIには閉環型で溶剤可溶性のものを用いた。線膨張係数が大きいため、ナノシリカを配合し線膨張係数を低減させたものでも検討を行った。
塗布型PIの厚み:2μm
PE-CVD条件 ガス:SN-2(3.5sccm)、N2(600sccm) 温度・時間:300℃10min RF:180W 膜厚:500nm(Siウェハ上)

結果と考察 / Results and Discussion

結果を表1に示す。何れのポリイミドフィルムでもSiNの成膜は可能であった。しかし、ポミランT12およびゼノマックスの2種のみが耐熱試験後も形状を維持していた。クラックが入ったフィルムは耐熱試験中に収縮が大きく見られ、収縮にSiNが追随できずクラックが入ったものと思われる。また、カプトンとユーピレックスは線膨張係数がSiNよりも大きいため、冷却時に発生する応力によってもクラックが入りやすいものと思われる。
塗布型PIの物性とSiN成膜の結果を表2に示す。塗布型PIはシリカを添加しないと354℃にTgを有し、温度上昇に伴い線膨張係数も大きいものであった。シリカ配合により線膨張係数は低下し、Tgが見られなくなった。一方で、SiN成膜試験では何れもクラックの発生のない膜が得られたものの、耐熱試験によりクラックが発生した。フィルムに対して塗布型PIでは耐熱試験でクラックが入ったのは、フィルムに対して塗布型PIの弾性率は低く、SiNはCVD後の高温加熱によって緻密化するために収縮し、それに合わせてPI層も収縮したためクラックが入ったものと思われる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


表1.ポリイミドフィルムへのSiN成膜



表2.塗布型PIの物性とSiN成膜試験


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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