利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0330

利用課題名 / Title

水素吸蔵合金の表面分析

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

水素貯蔵/ Hydrogen storage,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,電子分光/ Electron spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

新里 恵多

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

Véronique Charbonnier,Hyunjeong Kim,浅野耕太,榊浩司

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大塚照久

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-074:エックス線光電子分光分析装置(XPS)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

水素吸蔵合金は固体中に水素のみを取り込むことができるため、不純物ガスと水素を固相と気相に分離することができる。しかしながら、不純物ガスによって合金表面が汚染されると、水素吸蔵/放出反応速度が著しく低下してしまう。 本研究では、不純物ガス存在下でも高い水素吸蔵/放出反応速度を示す合金を開発するために、めっき法によりPdやNiを合金表面にコーティングし、合金と不純物ガスとの接触を回避することを目的に実験を行った。

実験 / Experimental

Ti-Zr-Cr-Mnベースの合金にめっき法により厚さの異なるPdあるいはNiをコーティングした粉体を用意した。この試料に対して、水素吸蔵/放出反応前後のX線光電子分光(XPS)測定を行い、コーティング層(Pd 3dあるいはNi 2p)および合金由来のCr 2pのピークから元素比を算出することで粉体コーティングの均質性を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

水素吸蔵/放出前の合金では、コーティング層に由来するPd(Pd 3d)あるいはNi(Ni 2p)の存在は確認できたが、合金に由来するCr(Cr 2p)のピークは見られなかった。XPS測定で観測できる深さが数nm程度であることから、めっき法によりPdまたはNiを合金表面に均一にコーティングできたことを示唆している。一方で、水素吸蔵/放出反応を繰り返したところ、コーティング層由来の元素に加えて、Cr(Cr 2p)のピークが見られた。水素吸蔵合金は、水素吸蔵/放出に伴う膨張収縮によって微粉化することが知られており、本実験でも微粉化によって合金由来のCrが見られるようになったと考えられる。一方で、コーティング層とCrの元素比を算出したところ、組成から見積もられるPd/Cr比、あるいはNi/Cr比よりも高い比が見積もられた。つまり、水素吸蔵/放出によりコーティングされていない合金表面が一部生成するが、PdやNiが表面にまだ多く残っていることが考えられた。事実、CO2を含む水素下で水素吸蔵反応速度を評価したところ、一部のコーティングした試料で高いCO2耐性を示す合金が得られた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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