【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.18】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23AT0248
利用課題名 / Title
防汚剤塗膜表面分析
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
石英・ガラス系材料,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,電子分光/ Electron spectroscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
山中 健太郎
所属名 / Affiliation
信越化学工業株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
大塚 照久
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
シリカ系親水膜をある条件で繰り返し処理した場合、親水性の発現に寄与する親水膜上のSiOH基が徐々に消失するためか短期間で親水性の低下が起こる。一方、一度の処理で剥離しきる程度の疎水性材料を、処理の度に親水膜上に塗工すると、親水膜の親水性が長期間維持されることを見出している。理由としては、親水膜と疎水性塗膜との接触によってSiOH基が親水膜内部を向くことで、処理によるSiOH基の消失が抑えられたからと推測している。SiOH基が親水膜内部を向くと、親水膜表面の組成はSiOSi結合が主になると考えられる。XPSを用いれば、この変化をO1sピークのシフトとして観察できる可能性がある。昨年下記の実験方法にて評価したところ期待したピークのシフトを確認できた。この度、親水膜を浸漬する液を入れ替え、再現性の確認を実施した。
実験 / Experimental
親水膜と疎水性物質との接触で起きる変化を簡易的に検証した。親水膜が塗工されたSUS小片を水中およびペンタン中に10日間浸漬し、これを分析直前に取り出してXPSで分析し、O1sピークを観察した。サンプルと分析条件は以下の通り。 親水膜サンプル:A.ペンタン浸漬, B.水浸漬(昨年と液を入れ替え) 分析条件:Al Kα線のモノクロナイズX線, X線強度 10 mA, Centre eV 533.85, Width eV 18.3
結果と考察 / Results and Discussion
XPS分析で得られたO1sピークを昨年の結果と合わせてFig.1に示す。サンプルB(水浸漬)においては昨年のB(ペンタン浸漬)のピークと比較して高エネルギー側へのシフトが確認され、そのピークは昨年のA(水浸漬)のそれとほぼ一致した。一方、サンプルAにおいては昨年のA(水浸漬)のピークからのシフトは見られなかった。 つまり昨年の結果を再現することはできなかった。理由は定かではないが、昨年のBのサンプルには汚れが付着していた可能性、または親水膜は水浸漬によって水浸漬前の状態から変化するが、それはペンタンに浸しても戻らない可能性が考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 O1s spectra of hydrophiric coating A and B
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
Y. Hayashi et al., Journal of the Ceramic Society of Japan 100 [8] 1038-1041 (1992)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件