【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.01】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT1117
利用課題名 / Title
トリチウム増殖材の精密化学分析
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
核融合,液体ブランケット,化学分析,リチウム同位体
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
八木 重郎
所属名 / Affiliation
京都大学 エネルギー理工学研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
伊藤諒,荒谷舜
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
高橋英樹
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
核融合エネルギーを実用化するには、炉内にて希少なトリチウム燃料の循環システム(図1)を成立させる必要があり、リチウム6同位体(6Li)の人工的な濃縮が必須となる。しかし、従来手法では有害な水銀由来の環境負荷が大きく、現代での適用は難しい[1]。そこで、本研究では、液体金属と溶融塩間の同位体交換反応を利用した、環境にやさしい6Li濃縮プロセス(液体金属/溶融塩法)を評価した。実験及び理論的考察から、6Li濃縮効果の温度影響を明らかにし、低温環境下での有用性を示した。
実験 / Experimental
二種類の液体金属(液体Li、Li–Pb共晶合金)と共晶組成の塩化物溶融塩(LiCl–KCl、LiCl–KCl–CsCl)を用い、液体金属と溶融塩の二液間で6Liを平衡分配させた。その後、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)により濃縮効果を示す同位体分離係数αを測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
測定結果(図2)から、液体金属/溶融塩法のαがアマルガム法から予想される理論曲線に従う可能性が示唆された。溶融塩相に一般的なハロゲン化アルカリ金属を用いる場合、200℃程度が温度下限であることから、α>1.02の濃縮効果を得ることは困難と考えられる(図3)。そこで、リチウム二次電池向けに開発された低温溶融塩を適用することにより、100℃以下での同位体交換が可能となって、アマルガム法同等のαの取得が見込まれる。以上の議論により、液体金属/溶融塩法の6Li濃縮への適用可能性は十分に大きいと示された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 核融合炉の燃料循環システム
図2 Li–Pb/塩化物溶融塩法における同位体分離係数αの温度影響
図3 アマルガム法と液体金属/アルカリハライド溶融塩法の適用温度範囲
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献
[1] T. Giegerich, K. Battes, J.C. Schwenzer, C. Day, Development of a viable route for lithium-6 supply of DEMO and future fusion power plants, Fusion Eng. Des. 149 (2019) 111339. https://doi.org/10.1016/j.fusengdes.2019.111339
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件