【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT0288
利用課題名 / Title
高触媒機能を示す金属クラスター分子の電子状態解析
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
水素貯蔵/ Hydrogen storage,電子分光/ Electron spectroscopy,ナノ粒子/ Nanoparticles
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
砂田 祐輔
所属名 / Affiliation
東京大学 生産技術研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
和田 啓幹
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-308:多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)with AES
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
当研究室では、ケイ素鋳型分子を用いた金属の精密集積法である鋳型合成法に立脚した、一連の金属クラスター分子の合成と機能開拓をおこなっている。特に、平面状構造をもつ金属クラスターは高い触媒機能を示すことが実験的に見出されているが、この触媒機能は構造のみならず金属などの電子状態にも大きく依存すると予想される。そこで、電子状態解析と触媒機能との相関の精査により、高触媒活性を示す金属クラスター分子の普遍的合成法を確立する。
実験 / Experimental
アルバックファイ PHI 5000 VersaProbe IIIを用いたXPS測定を行い、マンガン・ケイ素クラスターにおける各元素の電子状態・酸化状態の測定を嫌気下にて行った。
結果と考察 / Results and Discussion
Mn上にキレート型ケイ素配位子を持ち、固体構造からはMnの酸化数がII価であると推察されるサンプル、およびMn上にキレート型ケイ素配位子が骨格変換をおこした構造を有する部位を配位子として持ち、固体構造からはMnの酸化数が0価であると推察されるサンプルを用いてXPS測定を行い、固体状態でのそれぞれのサンプルにおけるMnの酸化数の評価を行った。その結果、前者の化合物はMn 3sに由来する83.3 eVと89.5 eVにシグナルを与え、確かにMn(II)状態であることが示された。一方、後者のサンプルについては、639.5 eVに2p3/2に由来するシグナルが検出され、確かにMn(0)であることが示された。一般に、金属錯体においてMn(0)状態を有するものは前例が極めて少なく、ケイ素配位子の骨格変換を活用することで、特異な電子状態を持つマンガン化合物を合成可能であることを明らかにした。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件