利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23TT0040

利用課題名 / Title

撥水機能のためのマイクロテクスチャ付き金型の製作

利用した実施機関 / Support Institute

豊田工業大学 / Toyota Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

マイクロテクスチュア, 熱交換器, フィン, 超撥水, 防霜,成形/ Molding,光学顕微鏡/ Optical microscope,光リソグラフィ/ Photolithgraphy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

井坂 太聞

所属名 / Affiliation

豊田工業大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TT-006:マスクアライナ装置
TT-015:デジタルマイクロスコープ群
TT-018:非接触3次元表面形状・粗さ測定機
TT-032:三次元形状測定機


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ハスの葉は数ミクロンの微細柱階層構造による空気の噛み込み効果により、エネルギーを使わずに表面に付着した汚れを水滴と一緒に洗い流すセルフクリーニング機能を発現している。マイクロテクスチャの元形状を組み込んだ金型を製作した上で、形状をプレス転写し、ハスの葉のような微細柱構造をフィン上に製作することで、エネルギーを使わずに結露を弾き着霜を防ぐのが研究の狙いである。本研究ではフォトリソグラフィに用いるマスクアライナや、微細パターンを観察する顕微鏡などを使わせていただいた。

実験 / Experimental

フォトリソグラフィに加えて、めっき堆積を採用することで、先行研究に比べて、少ない工程で加工を完了するとともに、穴の断面形状が垂直壁をもつようにし、プレス転写する柱性能を向上させようと考えている。粘度の高いレジストをスピンコータで塗布し、高さ11μm狙いのレジスト膜を用意し、i線マスクアライナを用いてドーズ550mJ/cm²にて露光し、現像した。めっき堆積は(株)コネクション社に依頼した。出来上がった金型とプレス機を用いて、熱交換器のフィン材であるアルミ材(ブレージングシート)にプレスすることによって表面に微細な凹凸を一括かつ短時間で転写した。その表面に水滴を落とし、撥水性を調べた。

結果と考察 / Results and Discussion

金型の母材はSKD11を利用した。図1は硬質めっき膜からなるマイクロテクスチャの金型形状を測定した結果である。めっきは横方向にも成長しようとするため、穴の幅はレジストパターンがつぶれて、よりも狭くなる。穴の深さは約9μm、アスペクト比は1.7-2.0であった。図2は、製作した金型を利用して、微細柱アレイを熱交換器フィン材であるアルミ材にプレスした結果である。得られた微細柱形状は、研究室先輩のものに比べて、より高く、より垂直に近い、ハスの葉に近い構造を70万個/cm²で一括成形できた。具体的には、高さは3.7μmから5.0μmに、アスペクト比は0.64から0.96に上昇した。撥水角を調べたところ、先輩の研究に比べ19°大きい125°が得られた。なお、フィン材の表面には何も塗っていない。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1:白色干渉計で測定した金型表面形状



図2:金型を用いてアルミ材にプレス転写した凸(針に近い)形状アレイ


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

研究室先輩の研究は、以下で発表されている。Seiya Fujita, Gang Han, Shigenori Saito, Minoru Sasaki, "Deep micro-textured die realized by mutiple-patterning and etching for press-transferring water-repellent function to the fin of the heat exchanger", 15th International Symposium on Advanced Plasma Science and its Applications for Nitrides and Nanomaterials / 16th International Conference on Plasma-Nano Technology and Science, (2023.3.6, Gifu) 06pB08O.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 井坂太聞,斉藤誠法,佐々木実,「撥水機能のためのマイクロテクスチャ付き圧延ロール」電気学会センサ・マイクロマシン部門総合研究会 MSS-23-024 (2023.6.30)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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