【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.01】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TT0027
利用課題名 / Title
伝熱機構の高度制御のための金型マイクロテクスチュアリング
利用した実施機関 / Support Institute
豊田工業大学 / Toyota Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
マイクロテクスチュア, 熱伝導, 素子冷却,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,光リソグラフィ/ Photolithgraphy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
相澤 龍彦
所属名 / Affiliation
表面機能デザイン研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐々木 実,石井 清
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TT-006:マスクアライナ装置
TT-007:レジスト処理(アッシング)装置
TT-015:デジタルマイクロスコープ群
TT-032:三次元形状測定機
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
高いエネルギー密度を扱う熱の発生源(例:大規模設備では発電所、小型素子ではLSIやパワエレのチップ)を冷却するために、伝熱の高度な制御が必要となっている。これまで、平滑な表面を持つ金属部材からなる熱交換器が使われてきた(放熱フィンは大きな構造として表面積を増やしているが、その表面は平滑である)。表面にμmサイズのマイクロテクスチャを形成すると、伝熱特性が大きく変わることが分かってきた。①熱副射では、微細凹凸サイズの2倍程度の波長の輻射強度が増強する。②液流が接する沸騰伝熱では、限界熱流束を超えた熱流が得られる。いずれも平滑面では得られない効果である。利用者は、広域を安価に加工できる加工法、無酸素銅の部材にFe-Niイオンを電気化学プロセスにより析出させて得られる、準規則的に並ぶマイクロコーン自己組織アレイを用いて、上記①②の効果を確認した。更なる発展のため、完全に規則的な微細構造を、生産性に優れたフォトリソグラフィと金型プレス転写を利用して製作する。この理想的な形状制御によって、伝熱特性を明らかにする。
実験 / Experimental
技術代行にて、支給されたSKD11金型材(高さ4mm)の表面に、直径5μmの円がピッチ15μmの正三角形状に並んだ格子アレイをパターン転写した。金型上面の10x20mm角領域にフォトレジスト膜を成膜する必要があるが、レジスト液を滴下してスピン成膜しても、面積が狭いために遠心力が小さく、コーナ部で表面張力の影響が相対的に大きく、均一な膜は得られない。結果として、良質な微細パターンも得られない。この解決のため、豊田工業大学にて進めている、PVA膜付きシート(アイセロ社、SOシートTM)上に成膜した固体レジスト膜を、金型上面に貼り付けることで均一膜を用意し、上記格子パターンを一括転写した。利用者は、この格子パターンを使って次工程でめっき処理に進む。表面の導電性を重視し、デスカム処理を最後に行った。
結果と考察 / Results and Discussion
図1は三次元形状測定機にて全域測定した、微細パターンを転写したSKD11金型材である。高さ4mmの端には、金型のつかみしろとして、高さと幅が2mmの段がある。金型材表面には小さな傷がどうしても入ってしまったり、もともとあったりする。面は、薄く虹色を呈しており。規則的なパターンがあることを示す。図2は高倍率で観察したパターンである。レジスト残渣は無く、設計通りに得られている。本試作では、金型の表面を清浄にする点がポイントとなった。アセトン洗浄だけでは薄い汚れが残った。シリコンとは異なり、ピラニア洗浄ができないため、アッシング装置を利用した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1:表面にマイクロテクスチャのパターンを転写した金型
図2:転写した直径5μmの円がピッチ15μmで並んだ三角格子
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本試作は、エビナ電化工業と協力しながら進めた研究の一部である。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件