利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.07】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KU0052

利用課題名 / Title

超高温変成岩を構成する輝石の微細組織解析

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,イオンミリング/ Ion milling,光学顕微鏡/ Optical microscope


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

藤 昇一

所属名 / Affiliation

福岡大学理学部物理科学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

福永裕美

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-004:広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡
KU-009:ハイコントラスト補助電子顕微鏡
KU-014:Arイオン研磨装置群
KU-015:コーティング装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々の研究グループでは、南極大陸に産出する超高温変成岩と呼ばれる一連の岩石を研究対象とし、そこに含まれる鉱物内部の微細組織解析を行なっている。具体的には輝石と呼ばれる一群の鉱物のうち、特に単斜晶系に属する鉱物内部に析出する同じく単斜晶系の相についてその界面の特徴の詳細な性質を明らかにするため、透過型分析電子顕微鏡を用いた。この界面は(100)や(001)という整数のミラー指数の界面からわずかに傾く性質が知られてきた。Robinsonら(1977)は、この原因が界面で母相と析出そうの格子の大きさから生じるひずみエネルギーを最小化するためであるというモデルを立てた。さらに両相は結晶構造が類似しているため、このタイプの界面が説明できるとした。このモデルでは、界面の結晶学的方位が、析出当初の状態を保つとされており、すなわち、母岩の超高圧変成岩が形成され冷却を開始した温度、すなわち最高変成温度に近い情報を示す可能性がある。最高変成温度がわかれば、これらの変成岩を形成したと言われている、太古代の超大陸がプレートテクトニクスによって変遷した変成作用についての重要な温度条件を正確に得られる可能性がある。

実験 / Experimental

上記の基礎となるRobinsonによるモデルは、実際に顕微鏡で実像が観察された例がないようである。すなわち、彼らが構築したモデルが実在するかを具体的に検証することが必要である。そこで、我々は透過型分析電子顕微鏡を用いて、界面構造に着目した高分解能像の取得を試みている。さらに、界面領域における原子配置を明らかにするため、球面収差補正透過型走査型電子顕微鏡を用いた超高分解能STEM像による原子の直接観察、並びにEDSやEELSを併用した原子の判別を試みている。

結果と考察 / Results and Discussion

超高分解能STEMによる原子判別については、技術的な問題からか、まだデータの取得に取得に成功していない。引き続き、取り組む必要がある。一方で、汎用分析電子顕微鏡による高分解能TEM像では、界面領域において、界面が不明瞭である、もしくは、平坦になっておらず複雑な形状をとっている可能性が認められている。現在は、結晶学的方位関係のデータを考慮した解析を進めている。さらに、このような性質が一般的なものであるかを確かめるため、データの築成を行い、法則性を明らかにしたい。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献;Robinson et. al. (1977)  American Mineralogist, 62, 857-873Willaime and Brown (1974) Acta Crystallographie, A30, 316-331


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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