【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.02.20】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KU0047
利用課題名 / Title
シリコン粒界の形成過程の観察
利用した実施機関 / Support Institute
九州大学 / Kyushu Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
高温STEM, 非対称粒界,太陽電池/ Solar cell,電子顕微鏡/ Electronic microscope,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,集束イオンビーム/ Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
大野 裕
所属名 / Affiliation
東北大学 金属材料研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
斉藤光,波多聰
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KU-010:三次元原子分解能透過電子顕微鏡
KU-013:キセノンプラズマ集束イオンビーム加工・走査電子顕微鏡複合機
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
多結晶シリコンの結晶方位および結晶粒界の制御は同材料の実用上重要であり、結晶化や結晶粒界形成の過程は多結晶組織制御に有益な知見となるが、そうした知見は乏しいのが現状である。本研究では、アモルファス相を界面に有する双結晶試料を作製し、電子顕微鏡内で加熱しながらアモルファス領域の結晶化過程を観察することで、粒界の形成機構を明らかにすることを目的としている。
実験 / Experimental
表面活性化接合法によりSi{111}ウエハとSi{115}ウエハを接合することで接合面にアモルファス相を有する∑9{111}/{115}界面を作成し、Gaイオンを用いた汎用のFIB加工法で界面を含むSTEM用試料片を切り出した。KU-013のキセノンプラズマ収束イオンビーム加工・走査電子顕微鏡複合機を用いて、アルゴンプラズマイオンビームにより試料片の表面近傍に残留するGa不純物を除去した。この試料片をKU-010の3次元原子分解能透過電子顕微鏡に設置し、1000℃まで加熱しながら原子分解能高温STEM観察を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
加熱により接合面を挟んで結晶/アモルファス界面より再結晶化が進行した。900℃程度までの加熱では接合面まで結晶の原子配列を保持した準安定な構造が形成されるが、1000℃以上での加熱により接合面近傍で原子の再配列が生じ最安定な再構成構造に変化した。この再構成構造は粒界エネルギーがほぼゼロである∑3{111}/{111}粒界と類似なナノ構造を内包しており、準安定構造からその構造への変化の原子分解能観察によりシリコン非対称粒界の形成モデルが立案できた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
1000℃熱処理後のΣ9{111}/{115}接合面
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Y. Ohno, H. Saito, J. Liang, T. Yokoi, K. Matsunaga, N. Shigekawa, K. Inoue, Y. Nagai, S. Hata, "Formation process of asymmetric grain boundaries acting as dislocation sources in silicon revealed by STEM at elevated temperatures", Materials Research Meeting (MRM) 2023 (Kyoto), 12/11-16 2023年12月13日
- 大野裕, 斉藤光, 梁剣波, 重川直輝, 横井達矢, 松永克志, 井上耕治, 永井康介, 波多聰, "シリコン非対称粒界の形成過程とその機能", 第71回応用物理学会春季学術講演会 (東京), 2024年3月24日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件