利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KU0024

利用課題名 / Title

界面の半自発的剥離の高分解能観察

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

アルミニウム基合金,水素脆化


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

平山 恭介

所属名 / Affiliation

京都大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

土井実春

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

山本知一

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-004:広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡
KU-005:デュアルビームFIB-SEM加工装置
KU-014:Arイオン研磨装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

高強度アルミニウム合金は空気中の湿気と引張応力によって脆性的に破壊することが知られており、これは水素脆化が原因です。第一原理計算により、多くの水素がアルミニウム母相と析出物の界面に集積し、水素が一定量を超えるとその界面が半自発的に剥離することを明らかにした。これまでに、剥離の存在について間接的な検証が行われているもの実験的に観察されていない。本課題では、高分解能TEMおよび3D-TEMを用いて半自発的剥離の実験的な証拠を得ることを目的とする。

実験 / Experimental

水素チャージしたアルミニウム合金を引張試験により破壊させた後、その破断面からFIBを用いてTEM試料を作製した。
TEMトモグラフィーは、エネルギー120 or 200KeV、傾斜角度±70°、傾斜ステップ2°の条件で行った。

結果と考察 / Results and Discussion

図1は破面直下の3D再構成像である。通常、時効析出物粒子η相は円盤状の形態を呈しているが、破面直下では球状に近い形態のη相が多く観察され、また図1(b)で示すような損傷している析出物も観察された。これら損傷した析出物は破面直下で多くみられた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 (a)破面直下の3D再構成像(b)損傷のある析出物


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 土井実春、平山恭介、戸田裕之 ”Al-Zn-Mg合金における水素脆化による擬へき開破壊メカニズムの解明”、軽金属学会第144回春期大会(香川)、令和5年5月13日
  2. 平山 恭介、土井 実春、戸田 裕之、藤原 比呂、清水 一行 ”透過電子顕微鏡観察によるアルミニウム合金の水素脆化メカニズム解析”、日本機械学会M&M2023材料力学カンファレンス(茨城)、令和5年9月27日
  3. Kyosuke Hirayama, Miharu Doi, Hiroyuki Toda, Hiro Fujihara, Kazuyuki Shimizu "Analysis of hydrogen embrittlement mechanism in Al-Zn-Mg alloy by TEM observation", MRM2023/IUMRS-ICA2023(Kyoto), 令和5年12月14日
  4. 平山恭介、土井実春、戸田裕之、藤原比呂、清水一行 ”3D-TEMによるアルミニウム合金の水素脆化メカニズムの3D解析” 日本金属学会2024年春期(第174回)講演大会(東京)、令和6年3月14日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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