【公開日：2024.07.25】【最終更新日：2024.04.04】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KU0018
利用課題名 / Title
Ｐt系合金ナノ粒子表面の表面構造と電極触媒活性の関係に関する検討-酸素還元反応およびギ酸酸化反応を中心に-
利用した実施機関 / Support Institute
九州大学 / Kyushu Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials（副 / Sub）革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
燃料電池/ Fuel cell,電子顕微鏡/ Electronic microscope
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
松本 太
所属名 / Affiliation
神奈川大学化学生命学部応用化学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
前野 宏志
利用形態 / Support Type
（主 / Main）技術補助/Technical Assistance（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
我々は燃料電池用電極触媒の活性を最大限に発現させることに関し、白金(Pt)系合金ナノ粒子を合成し、その触媒活性を電気化学的に評価してきた。その中で触媒中のPtの5d軌道の電子状態と触媒活性の関係を検討し、電子状態と触媒活性の関係がいわゆる火山型のプロット(Volcano plot)になることを検討している 。本研究では、メタノール(MeOH)およびエタノール(EtOH)酸化触媒を研究対象として、Pt電子状態を5d軌道空孔密度と触媒活性の関係について検討した。透過電子顕微鏡は合成したカーボン担体上のナノ粒子の形状を確認するために用いた。Pt系合金ナノ粒子を検討し、合金を構成する第二元素を変えても、ほとんど同じ大きさの粒子が一様な分布で合成されていることを確認できた。
実験 / Experimental
還元剤としてエチレングリコールを使用し、Pt/カーボンブラック(CB)上のPtと第二元素の合金化を行うことでPt系合金ナノ粒子の合成を行った。この触媒をGC 回転電極に固定し、0.1 M NaOH を含む0.5 M MeOHあるいはEtOH水溶液を用いて電気化学的な触媒活性評価を行った。Pt電子状態はXAFS測定をSPring-8のビームラインBL01B1で測定を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig. 1の図中に合成したPt系合金ナノ粒子のTEM像を示す。平均粒子径が3.5 nmの粒子が均一に分散していることが確認できた。次にFig. 1にPt系合金ナノ粒子を用いたMeOH酸化反応を検討した結果を示す。第二元素の種類によって酸化電流が大きく違っていることがわかる。EtOHにおいても同様な結果が得られた。XAFS測定における触媒中のPt 5d 軌道の空孔密度を評価し、MeOHとEtOH触媒活性との関係をプロットしたところ、火山型の挙動を示すことが明らかになった(Fig. 2)。MeOHとEtOHの酸化反応によって、ほとんど同様な5d軌道空孔密度において最大活性を示すことが分かった。また、XAFS測定から触媒中のPt-Pt原子間距離を評価し、触媒活性と原子間距離の関係をプロットしたところ明確な関係性は見られなかった(Fig. 3)。以上の結果から本反応においてはPtの電子状態が触媒反応の活性を支配する主要因であることが分かった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 Linear sweep voltammograms for MeOH oxidation on Pt-based nanoparticles/CB in 0.5 M MeOH and 0.1 M NaOH aqueous solution at 10 mV s-1. Inset: TEM image of synthesized PtPb/CB.
Fig. 2 Relationship between Pt 5d orbital vacancy and catalytic activity of Pt-based alloy nanoparticles for MeOH (●, -0.1 V vs. Ag/AgCl) and EtOH (●, -0.2 V).
Fig. 3 Relationship between Pt-Pt bond distance and catalytic activity of Pt-based alloy nanoparticles for MeOH (●, -0.1 V vs. Ag/AgCl) and EtOH (●, -0.2 V) oxidation.
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 松村碧輝, 青柳拓樹, 福西美香, 松本 太, アルカリ性水溶液中におけるメタノール・エタノールの電解酸化の高活性・活性安定性を示す電極触媒の開発 (3) - XAFS測定によるd- バンドセンターと触媒活性の関係, 電気化学会 電気化学会第91 回大会 2024.3.14 名古屋大学東山キャンパス, 口頭発表
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件