利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KU0014

利用課題名 / Title

固溶金属ナノ粒子の原子レベルでの固溶化確認

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

桑本 航

所属名 / Affiliation

日本曹達株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

小林 大哉,芝田 大幹

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

鳥山 誉亮

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-004:広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡
KU-016:低温域観測型・高分解能電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 合金ナノ粒子は、単金属と異なる電子状態や性質を示す為に、単金属に比べて触媒活性の向上が期待できる。実際、銅とニッケルからなる固溶合金ナノ粒子であるCuNi NPsは、直接メタノール型燃料電池におけるメタノール酸化反応など、電極反応の触媒として優れた性質を有することが報告されている1)。今回、CuNi NPsの用途開発を目的とした合成を実施したため、九州大学超顕微解析研究センターが所有する電子顕微鏡にて、ナノ粒子の固溶状態及び形状を検証した。

実験 / Experimental

 下記の装置を用い、加速電圧200kVで高分解能STEM観察、STEM-EDXマッピングおよびライン分析を実施した。

利用装置:広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡(JEM-ARM200CF)

結果と考察 / Results and Discussion

 STEM-EDXマッピング (Figure 1) およびライン分析 (Figure 2) から、各粒子中に銅とニッケルは原子レベルで固溶していることを確認した。粒子径は、約10-30 nm程度の分布を示すことが分かった。ライン分析によって、粒子表面が酸化されていること、粒子中のCu:Niの原子組成比は約1:3で構成されていることが明らかとなった。 当該装置は、粒子形状や組成を正しく把握する上で必要不可欠な分析ツールである。今後は、粒子形状・組成・構造と機能との相関を結び付け、データサイエンスを活用したハイスループットな材料開発を行う。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Figure 1. HAADF-STEM image of CuNi NPs, Ni-K and Cu-K STEM-EDX maps, and reconstructed overlay image of the maps (red, Ni; blue, Cu).



Figure 2. Compositional line profiles of Cu (blue) and Ni (red) recorded along the arrow shown in the STEM image.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:1) Yajing An, Hamza Ijaz, Ming Huang, Jianqiang Qu and Shi Hu. Dalton Trans., 2020, 49, 1646-1651.

 本研究(の一部)は、文部科学省委託事業マテリアル先端リサーチインフラ事業課題として九州大学微細構造解析プラットフォームの支援を受けて実施されました。透過電子顕微鏡解析において、九州大学の山本知一 助教、鳥山誉亮 学術研究員にお世話になり深く感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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