【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.02】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KU0006
利用課題名 / Title
耐火れんが組織のナノスケール構造解析
利用した実施機関 / Support Institute
九州大学 / Kyushu Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/ Electronic microscope,資源使用量低減技術/ Technologies for reducing resource usage,集束イオンビーム/ Focused ion beam,電子回折/ Electron diffraction,資源代替技術/ Resource alternative technology,易循環型材料設計技術/ Recycling-friendly material design technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
宮内 隆輝
所属名 / Affiliation
黒崎播磨株式会社 技術研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
河野 颯
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
工藤 昌輝
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KU-004:広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡
KU-005:デュアルビームFIB-SEM加工装置
KU-006:直交型FIB-SEM
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
鉄鋼2次精錬炉で主に用いられるMgO-Cr2O3れんがは焼結による反応生成物が強度を担うと考えられており、焼成過程で形成されるクロムスピネル(MgCr2O4, 以下2次スピネル)の分布形態がれんがの強度に強く影響を与えるとされる。特に2次スピネルとペリクレース(MgO)の接合界面の結晶方位関係や異相の有無が界面強度に影響を与えると考えられる。一方でこれらの接合界面について詳細に研究した例はない。本課題では高分解能TEMを用いてペリクレースと2次スピネル界面の粒界構造を明らかにし、強度などの特性との関係解明を目指す。
実験 / Experimental
観察試料として1800℃以上で焼成したMgO-Cr2O3れんがの研磨試料を用意し、事前にEBSDで顕微組織の結晶方位MAPを取得した。方位MAP中の2次スピネルとペリクレースの接合界面で両者の結晶方位差が小さい(10度以内)界面及び方位差が大きい(10度以上)界面を選び、FIBを用いて薄膜試料を切り出した。薄膜試料の観察にはJEM-ARM200CFを用い、界面のTEM/STEM観察及びEDS分析を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
EBSDにて結晶方位のずれが10度以下であった接合界面から取得したHAADF-STEM像を図1に示す。結晶方位のずれが10度以下の場合,2次スピネルとペリクレースの界面を挟んで原子配列が揃っており,直接接合していることが確認された。またその際は界面に異相は見られなかった。以上より,2次スピネルとペリクレースの結晶方位のずれが小さいと直接結合を形成しやすいことが示唆された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 結晶のずれが10度以下の界面から取得したHAADF-STEM像
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件