【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.08】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23GA0116
利用課題名 / Title
電子線直接描画装置を用いた微細レジストパタン作製及びシリコンの微細加工
利用した実施機関 / Support Institute
香川大学 / Kagawa Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
反応性イオンエッチング,BOSHプロセス,太陽電池,デバイス、3次元化,リソグラフィ/ Lithography
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
長岡 史郎
所属名 / Affiliation
香川高等専門学校
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
Robert Johnstion
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
シリコン(Si)太陽電池の表面は、太陽光を有効利用するため、テクスチャと呼ばれる凹凸が設けられている。この凹凸を大きくし、太陽電池として動作させられる表面積を拡大すれば、太陽電池としての出力改善が期待できる。Si表面に凹凸を作製する方法として、物理的に研削する方法や化学的に溶解させる方法の2種類が用いられている。ここでは後者の方法である反応性イオンエッチング(RIE)を用い、かつ100µm以上の深い凹凸が作製できるBOSHプロセスによりSi表面を剣山状に加工することで太陽電池として利用できるSi表面積の拡大による性能改善の可能性について検討した。検討の結果、Si基板表面全面を方形(50µm×50µm)で高さ(深さ)約350µmの柱状Siが間隔50µmで並んだ構造に加工することができた。これにより、表面積を約20倍、太陽電池としての出力も同様に改善できた。
本方法は、大面積化及び微細化も可能であるため太陽電池の面積をさらに拡大できることが期待される。この方法は、太陽電池の性能改善に有用であると思われる。
実験 / Experimental
柱状Si及び櫛形電極パタンは、フォトリソグラフィにより作製した。Fig.1にその作製工程を示す。現在提案しその性能を検証している簡素化フォトリソグラフィ法(PALL: Pattern Alignment-Less Lithography)の解像度限界である50µmの解像度のLine & Spaceパタンのフォトマスクを2度用いて格子状のレジストパタンを作製した。そのパタンをポジ-ネガ反転し、方形レジストパタンに変換する。さらに、太陽電池用櫛形電極パタンを重畳し、矩形パタン付櫛形電極作製用フォトマスクを完成させた。このフォトマスクパタンをクロム(Cr)薄膜に転写し、RIEのエッチングマスクとした。その工程をFig.2に示す。
このCr薄膜エッチングマスクを用いて、RIEと側壁保護膜作製を約300回繰り返し、高い異方性を保ちSi基板表面を500µmの深さまでエッチングした。エッチングガスには、C2F6を用いた。RF電力は160Wとした。エッチング時間は、約4時間であった。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.3にフォトマスクの作製結果を示す。ポジ型とネガ型レジストを駆使し、5回のフォトリソグラフィとエッチングにより、設計通りのフォトマスクパタンが得られた。
Fig.4にこのフォトマスクとRIE&BOSHプロセスを用いた柱状シリコンの作製検討結果を示す。期待通りの非常に高いアスペクト比を持つパタンにSi基板表面を加工できた。
これらの結果から、基板表面の面積を約20倍に拡大できると思われる。方形パタンのサイズを小さくすることで、さらに広い表面積の実現が期待できる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 テクスチャ用Si柱状パタン(50μm x 50μm)と電極パタン作成用
フォトマスクの作製
Fig.2 反応性イオンエッチングによるSi柱状パタン(50μm x 50 μm)と
電極パタンの作製
Fig.3 テクスチャ用Si柱状パタン(50µm x 50 µm)と電極パタン作製用
フォトマスクの作製
Fig.4 完成した柱状Siテクスチャパタンと電極パタン
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
実験を進めるのに際し、BOSHプロセスを用いたRIEによる加工に関し理論的アドバイスを頂いた下川房男先生、成膜実験のご指導を頂いた支援員の皆様に感謝いたします。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件