利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.07】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23GA0115

利用課題名 / Title

高アスペクト比をもつ柱状シリコンの作製と微細化及びその応用

利用した実施機関 / Support Institute

香川大学 / Kagawa Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

反応性イオンエッチング,BOSHプロセス,太陽電池,微細化,3次元化,リソグラフィ/ Lithography


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

清水 共

所属名 / Affiliation

香川高等専門学校

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

長岡史郎

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

GA-013:ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 シリコン(Si)太陽電池の基板表面に設けられているテクスチャと呼ばれる凹凸を大きくすることで、太陽電池として動作させられる表面積を拡大できれば、太陽電池としての出力改善などの効果が期待できる。そこでBOSHプロセスを用いたRIEによりシリコン表面にアスペクト比の高い密な3次元構造の実現について検討した。10µm×10µmの矩形パタンを広い面積に千鳥格子状に配置したフォトマスクを作製し、フォトリソグラフィにおける処理条件により矩形パタンの微細化を行った。その結果、約7µmφのパタンを実現、フォトリソグラフィにおける処理条件により大面積における微細化が可能なことを実証した。さらにエッチング中に発生するパーティクルをエッチングマスクに利用し微細化の限界を調べた。その結果、フォトリソグラフィの解像限界に近い先端が1µmで基底部が約2µm、長さ(高さ)が約100µm、アスペクト比が約50の針状Siを実現できた。本方法は太陽電池の面積をさらに拡大できるため性能改善に貢献できること、及び新たな応用に有用であると思われる。

実験 / Experimental

 千鳥格子状に配置した柱状Siパタンの作製は、電子線(EB)直接描画により作製したフォトマスクを用いた。10µm×10µmの矩形パタンを千鳥格子状に基板表面全面に敷き詰めたフォトマスクを作製し、Fig.1に示した工程で矩形パタンをシリコン表面全面に作製した。このフォトマスクパタンを使ってエッチングマスクとなるフォトレジストパタンをクロム(Cr)薄膜上に転写した。このCr薄膜エッチングマスクを用い、Siのエッチングと側壁保護膜作製を交互に繰り返し、高い異方性を保ちながらSi基板表面を深くエッチングした。エッチングガスにはC2F6を用いた。RF電力は160Wとした。凹凸がない場合に比べ100倍以上の表面積を実現するため、エッチング深さは約500µmとした。フォトリソグラフィ工程における処理条件によるエッチングマスクとなるフォトレジストパタンの微細化及びパーティクルをエッチングマスクに利用した微細化限界の検討を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig.2にフォトマスクとレジストパタンの作製結果を示す。設計通りのフォトマスクパタンを作製できた。これを用いて露光時間と現像時間によるフォトレジストパタンの寸法制御を検討した。露光量や現像時間などの処理条件の調整により約7µmのパタンを実現、約30%の微細化を実現できた。フォトマスクパタンの微細化とこの方法により、解像限界である約2µmのパタンの実現が可能であると予想される。そこで、柱状Siの微細化の可能性を調べた。その結果をFig.2(d)に示す。柱状Siの上部で約1µm、下部で約2µm長さ約100µm、アスペクト比が約50の針状Siパタンができることを確認した。これらの結果からフォトマスクの矩形パタンのサイズの微細化により、解像限界の針状Siを実現できる可能性を確認した。これらの結果から、太陽電池としての性能改善に加え、センサとしての応用につなげられることが期待できる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 RIEによる柱状Siパタン(10µmx10µm)の作製



Fig.2 Si柱状Siパタン作製用フォトマスクパタン(10µmx10µm)と
           作製したレジストパタン及び作製した微細化柱状シリコン


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

実験を進めるのに際し、BOSHプロセスを用いたRIEによる加工に関し理論的アドバイスを頂いた下川房男先生、成膜実験のご指導を頂いた支援員の皆様に感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る