【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.03】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TT0006
利用課題名 / Title
天文学観測用Trapezoid gratingの製作法の開発
利用した実施機関 / Support Institute
豊田工業大学 / Toyota Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/ Electronic microscope,光学顕微鏡/ Optical microscope,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,光導波路/ Optical waveguide,光デバイス/ Optical Device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
海老塚 昇
所属名 / Affiliation
国立研究開発法人理化学研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐々木 実 教授,大槻 浩 専任技術支援員,中山 幸子 技術支援員
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub),共同研究/Joint Research
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TT-006:マスクアライナ装置
TT-011:Deep Reactive Ion Etching装置(Boschプロセス)
TT-012:イオンミリング装置
TT-015:デジタルマイクロスコープ群
TT-018:非接触3次元表面形状・粗さ測定機
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
シリコン基板にBoschプロセスおよびイオンミーリング、シリコンの酸化・酸化膜除去により製作されたシリコンの高アスペクト比の台形格子を鋳型にしてレプリカ加工により樹脂のTrapezoid gratingの製作方法を開発することを目的とする。
実験 / Experimental
佐々木教授等が開発した新しい露光・転写技術により、水溶性樹脂フィルムにパターンにングされた周期2μmのラインアンドスペースのフォトレジストをシリコンウエハに転写して、Boschプロセスおよびシリコンの酸化・酸化膜除去によりシリコンの高アスペクト比の格子を試作した。しかし、Boschプロセスの条件を変えても大半の条件では溝がほぼ垂直になってしまうことがわかった。等方性のドライエッチングでポジティブのテーパを付ける方法では、本件の微細格子は消失するリスクがあると考え、Boschプロセスによって垂直に溝を掘った後に、レジストを残した垂直な格子にイオンミーリングを行って格子形状がどのように変化するか実験を行った (図1)。
結果と考察 / Results and Discussion
予測通りにイオンミーリングによって溝にテーパーを生じさせることができた。具体的にはBoschプロセスで5μm垂直に溝を掘った後、イオンミーリングによって355nm溝を掘ったところ、溝にテーパーを生じさせることができた (図2)。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 シリコン格子を鋳型にした樹脂のTrapezoid gratingの製作方法。
図2 Trapezoid gratingのシリコン鋳型の走査型電子顕微鏡写真。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
佐々木教授をはじめ、大槻 浩氏、中山 幸子氏には新しい手法によるTrapezoid gratingの開発に取り組んでいただいた。本研究の回折格子の 試作や測定は主に豊田工業大学マテリアル先端リサーチインフラ事業(ARIM)および、 東北大学ナノテク融合技術支援センター、国立天文台先端技術センター等の設備を利用 させていただいている。Trapezoid gratingの開発はTMT戦略的基礎開発研究経費の支援により推進された。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 海老塚 昇, 他, “天文学観測および宇宙探査用の新しい透過型回折格子 II,” 第28回 天体スペクトル研究会集録, p74-77, 2023年6月.
- 海老塚 昇, 他, “次世代天文学および月・惑星探査機の観測装置用の新しい透過型回折格子,” 第48回光学シンポジウム予稿集, p72-77, 2023年6月。
- 海老塚 昇, 他, “次世代天文学および月・惑星探査機の観測装置用の新しい透過型回折格子,” 第48回光学シンポジウム, 2023年6月22, 23日, 東京大学生産研究所, 口頭発表。
- 海老塚昇, 他, “新しい高分散・高効率・広帯域透過型回折格子,” 日本天文学会2023年秋季年会, 2023年9月20-22日, 名古屋大学, ポスター発表
- N. Ebizuka, et al.,"Novel Transmission Gratings with High-dispersion, High-efficiency and Wide Bandwidth," Subaru Users Meeting FY2023, 2024年1月23~24日, ポスター発表
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:1件